研究課題/領域番号 |
07671437
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
綿谷 正弘 近畿大学, 医学部, 講師 (00220856)
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研究分担者 |
肥田 仁一 近畿大学, 医学部, 助手 (20238306)
久保 隆一 近畿大学, 医学部, 講師 (70225192)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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キーワード | DNA修復エラー / アポトーシス / 大腸腺腫 / 大腸癌 / p53遺伝子異常 / Bcl-2遺伝子 / p21^<WAF1>遺伝子 / PCNA |
研究概要 |
大腸腺腫の発癌ポテンシーとアポトーシスの抑制ならびにDNA修復エラーの関連を明らかにする目的で、1.大腸癌発生のどの過程でbcl-2遺伝子発現と変異型p53遺伝子蛋白発現が働きアポトーシスが抑制され、腺腫から癌へと進行しているのか、2.さまざまな異型度の腺腫を対象にdinudeotides instabilityを解析し、DNA replication errorとアポトーシスが関連するかを検討した。81例の初発腺腫と20例のsm癌を対象にp53およびbcl-2発現を解析すると、p53発現はmild dysplasia腺腫で2%、moderate dysplasia腺腫で12%、severe dysplasia腺腫で33%、sm癌では65%に認められた。p53発現と腺腫の異型度ならびに癌の深達度に有意な相関がみられた。bcl-2発現はmild dysplasia腺腫で28%の頻度で認められたが、moderate dysplasia、severe dysplsaia腺腫、sm癌と異型度・深達度が進行しても、bcl-2発現は47%、48%、55%であった。次にLow garde dysplasia(LGD)腺腫60例、high grade dysplasia(HGD)腺腫21例およびsm癌13例を対象に細胞周期調節と大腸癌発生進展を検討した。PCNA陽性細胞率は腫瘍の異型度の進展とともに増加したが、p21^<WAF1>発現はHGD腺腫やsm癌と比べてLGD腺腫に高頻度にみられた。HGD腺腫でp53陰性・p21^<WAF11>発現陽性群のPCNA陽性細胞率は、p53陽性・p21^<WAF11>発現陽性群より有意に低く、またp53陰性・p21^<WAF11>発現陽性群のPCNA陽性細胞率もp53陽性・p21^<WAF11>発現陽性sm癌より低かった。初発腺腫のHGD腺腫の一部でp53非依存的にp21^<WAF11>発現が誘導され細胞増殖が抑圧される可能性が考えられる。さらに癌・腺腫のDNA修復エラーを解析した。初めに大腸癌における遺伝子不安定性を検討すると、非遺伝性の大腸癌87例中27%に遺伝子不安定性が認められた。次に腺腫のホルマリン固定パラフイン包埋切片からDNAを抽出し、DNA修復エラーを検討した。しかしながらDNAは抽出されたもののmicrosateliite markerのPCR増幅が悪く、腺腫での遺伝子不安定性は解析できなかった。
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