研究課題/領域番号 |
07671444
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
佐久間 まこと 北海道大学, 医学部・附属病院, 助教授 (70170636)
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研究分担者 |
佐々木 重幸 北海道大学, 医学部・附属病院, 助手 (10270787)
安田 慶秀 北海道大学, 医学部・附属病院, 教授 (60125359)
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キーワード | vascular prosthesis / neointima / nitric oxide / organization / graft failure / arterial reconstruction |
研究概要 |
人工血管を生体内に移植した後に形成される新生内皮細胞が生体の正常内皮細胞と比較していかなる活性特性を持ち、人工血管の開存性や器質化、遠隔期の吻合部内膜肥厚にいかなる関連性を有するかをnitric oxide(NO)産生放出反応の面から検討した。生体血管と人工血管とのcomposite graftを作成し、生体血管部分の弛緩反応を測定することにより人工血管の新生内皮細胞のNO放出を推定した。平成7年度の検討より、生体血管と人工血管とのcompositeの方法は短冊状重ね合せが最も鋭敏な弛緩反応を示したことから、平成8年度は本法によって新生内皮細胞のNO産生放出反応を測定した。雑種犬の頚動脈、門脈、腹部大動脈に移植したePTFE、Dacron人工血管を移植後4週から6ヵ月後に摘出し、重ね合せcomposite graftを作成し、アセチルコリン(Ach)による収縮・弛緩反応を測定した。吻合部近傍(中枢および末梢)、中央部の3点について、コントロールとして摘出正常血管をとり、Norepinephrine(3×10^<-7>M)による収縮を行ったのち、Achを累積的に投与、弛緩反応からNO産生能を比較した。 結果:移植後4週では中枢0.22±0.14、中央部0、末梢0.11±0.70であり、6ヵ月では中枢0.44±0.28、中央部0.14±0.07、末梢0.40±0.18であった。新生内皮細胞機能として経時的NO産生能が上昇するも生体血管に比し産生能は長期経過しても低下した。部位的な特徴としては中枢が末梢、中央に比べ高かった。
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