研究課題/領域番号 |
07671446
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
山本 浩史 旭川医科大学, 医学部, 講師 (10270795)
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研究分担者 |
郷 一知 旭川医科大学, 医学部, 助教授 (00234964)
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キーワード | 開心術 / 心筋虚血再灌流障害 / 高カリウム血液心筋保護液 / 心筋保護 / イオン移動効率 / 心筋酸素消費量 / Na^+-K^+ポンプ |
研究概要 |
1.Na^+-K^+ポンプの温度依存性 Guinea-pig心室筋の単離細胞を用い、whole-cell clamp technique (ramp:+50〜-130mV)でouabain感受性電流(Ip、Na^+-K^+ポンプ電流)を測定した。Ipは細胞外K^+濃度の上昇(5-20mEq/L)で増大し、灌流温上昇(18°-37°C)でも増大した(-40mVで22.7±1.2-114.3±17.2pA)。 2.開心術中における心筋酸素消費とイオン動熊 開心術44例について常温高K^+酸素加血液(常温OBC)再灌流中に心筋のNa^+排出とK^+取込みを検討し虚血再灌流に伴うイオン移動を解析した。大動脈基部からOBC液(Na^+:134.8±0.4mmo1/L;K^+:18.7±0.1mmo1/L;Hb:3.5±0.1mg/dL;SO2:99.6±0.1%)注入中に冠静脈洞(CS)液を採取した。心筋保護手順はヤング氏液(2ml/kg)の後、OBC液を18°C、15ml/kgで30分毎、最後に34°〜36°Cで10ml/kg注入した。OBC液-CS液間のNa^+およびK^+の濃度較差と、OBC液1Lあたりの酸素消費量(VO_2)の関係をみると、VO_2の増大に伴いNa^+の排出とK^+の取込みの増大が示唆された。個々の例についてK^+濃度較差とVO_2の関係から回帰直線の傾き(単位酸素消費量あたりのK^+移動量)を求めると心筋虚血時間の延長(23-214min)に伴い低下(0.227-0.019mmol/ml02)した。結論:1)常温OBC液はNa^+-K^+ポンプを活性化する。2)Na^+-K^+ポンプの活性化は細胞内イオン環境異常(Na^+負荷、K^+喪失)を回復させる。3)その回復能力は単位酸素消費量あたりのK^+移動量(イオン移動効率)で評価可能で虚血時間の延長によって低下する。
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