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1995 年度 実績報告書

誘電スペクトルの解析による心筋のリアルタイムなバイアビリティー評価法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 07671458
研究種目

一般研究(C)

研究機関岐阜大学

研究代表者

不破 誠行  岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (90242734)

研究分担者 佐々木 栄作  岐阜大学, 医学部附属病院, 助手 (20273138)
森 義雄  岐阜大学, 医学部附属病院, 助手 (40220032)
村川 真司  岐阜大学, 医学部, 助手 (40229977)
広瀬 一  岐阜大学, 医学部, 教授 (20101272)
キーワード誘電スペクトル / 心保存 / 電気インピーダンス / 心移植 / 左室Emax / 心筋内ATP
研究概要

心臓移植における保存中のドナー心のリアルタイムかつ定量的なviability評価法の確立をめざし,誘電スペクトル法を用いて解析した心筋の電気的周波数特性の応用を検討することを研究目的とした.周波数特性を表現するパラメータであるloss tangentの極大値(tanδm)を,4℃生理食塩水と4℃University of Wisconsin Solutionに浸漬保存した雑種成犬の心筋で経時的に8時間計測した.これを心筋内ATP含有量の推移と比較検討した.保存直後のtanδmを100とする%tanδmは,ATPの残存率と,両群でそれぞれ良好に相関していた(生食群:r^2=0.81,UW群:r^2=0.66).
さらに保存中の電気的周波数特性の変化と左室Emaxを指標とした移植後の心機能との関係について検討した.4℃生理食塩水に浸漬保存したブタの摘出心を用いた.保存中tanδm経時的に計測し,その後異所性腹部心移植を行った.保存前5.08±1.05であったtanδm保存中(145〜350分),徐々に低下した.保存中に示した最低値即ち移植前値(2.56〜4.49)と保存前に対する移植再灌流2時間後の左室Emaxの回復率は良好に相関していた(r^2=0.78).また,4℃生理食塩水に浸漬保存したブタの摘出心の電子顕微鏡による組織学的な変化とtanδの推移との関係を検討した.tanδmの変化は心筋細胞の細胞膜の破壊の程度と関係づけられる可能性が示唆された.
心筋の誘電スペクトルは,単純浸漬保存中の細胞障害を鋭敏に反映している.保存中にtanδを計測することにより,リアルタイムに心筋のviabilityを評価し得る可能性が示唆された.

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Makoto Ishikawa: "Detection of myocardial ischemic injury during simple cold storage by measurement of myocardial impedance." Journal of cardiovascular surgery. (1996)

  • [文献書誌] 石川真: "電気インピーダンスを用いた保存心のviability評価法の確立に関する実験的検討." 移植. 29. 127-136 (1994)

  • [文献書誌] 石川真: "電気インピーダンスを用いた単純浸漬保存の保存時間限界の予測に関する実験的検討." 日本胸部外科学会雑誌. 43. 1579-1586 (1995)

  • [文献書誌] 坂東道哉: "電気的周波数特性の解析による保存中の心筋のviabilityの評価" 医用電子と生体工学. 33 Suppl. 248 (1995)

  • [文献書誌] 坂東道哉: "心筋の誘電特性の温度補正についての検討-臨床応用をめざして-" 医用電子と生体工学. 34 Suppl. (1996)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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