研究概要 |
1。MAGE-1陽性の肺癌患者の末梢血単核球をGST-MAGE-1融合タンパク質で頻回刺激したが、MAGE-1特異的CTLが樹立できなかった。MMRT-1ペプチドでHLA-A2患者リンパ球を同様に刺激を行ったものではMART-1特異的CTLが樹立できた(Sugita et al.,1996.)事から、末梢血中にMAGE-1特異的CTLの前駆細胞が非常に少ない事が示唆された。 2。精巣組織におけるMAGE抗原の局在を免疫組織染色法により調べ、MAGE抗原は精粗細胞および初期の第1次精母細胞のみに発現していることが分かった。一方、第2次精母細胞や精子細胞には発現されておらず、MAGE抗原は精子形成の初期過程において重要な役割を果たすことが示唆された(Takahashi et al.,1995)。 3。MAGE抗原に対する特異的抗体を作製し、それらによるELISAを用いて癌組織および患者血清中MAGE-4抗原の定量化に成功した(Shichijo et al,1995)。 4。MAGE-4抗原を、肺癌患者血清中に検出した。肺癌患者血清(1.17ng/ml,n=100)では、非癌肺疾患や健常人に較べて有意に高値を示し、34%が陽性であった(Shichijo et al.,1996)。 5。16例の肺癌組織からIL-2存在下で6例のCTL株を樹立し、HLA-Alocusのわかった細胞株パネルを用いてMHC拘束性を決定した。HLA-A2拘束性が3例、A31が2例、A33が2例、およびA24が1例であった(Seki et al.,,1997,in press)。 6。食道癌患者からHLA-A2601拘束性のCTLを樹立し、その抗原をコードする遺伝子をクローニングした。さらに、HLA-A2601拘束性にCTLが認識しているペプチド領域を同定した。
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