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1997 年度 実績報告書

クモ膜下出血後の攣縮血管に於けるnitric oxideの関与

研究課題

研究課題/領域番号 07671509
研究機関名古屋大学

研究代表者

鈴木 善男  名古屋大学, 医学部, 助教授 (80171271)

研究分担者 永谷 哲也  名古屋大学, 医学部, 医員
原 政人  名古屋大学, 医学部, 医員
キーワードクモ膜下出血 / 血管攣縮 / nitric oxide / サイトカイン
研究概要

くも膜下出血後髄液中の炎症性サイトカイン濃度が上昇することは、臨床例から採集した髄液を用いたデータから明らかにできた。とくにインターロイキン6、インターロイキン8、インターロイキン1βの上昇が急性期から顕著であった。これらのサイトカインが炎症及び免疫過程を刺激する段階で、誘導型一酸化窒素合成酵素(NOS)を発現させるかどうかイヌを用いて検討した。イヌの大槽内にそれぞれのサイトカインを投与し、髄液中のNO代謝物濃度に与える影響を検討した。しかし、最も可能性のあったインターロイキン1β投与後でもNO代謝物濃度は全く変化なく、誘導型NOSの関与は否定的であった。一方、プロスタグランディンの合成酵素であり、immediate early geneと同様、病的状態で発現するcyclooxyegenase2(COX-2)が発現し、プロスタグランディンカスカードを活性化させていることがウエスタンブロット法で明らかにされた。このプロスタグランディンカスカードの活性化は選択的COX-2阻害剤で抑制でき、薬理的にも証明できた。くも膜下出血後のNO代謝亢進に誘導型NOSの関与が否定的な点は高用量のステロイド(メチルプレドニゾロン)を使ってNO代謝物濃度への影響を検討した以前の臨床結果とも良く一致した。つまりくも膜下出血後ではラットやマウスなどのゲッシ類では簡単に発現する誘導型NOSが病態に貢献している可能性は少なく、COX-2の誘導を介してプロスタグランディンの活性が増え、くも膜下出血後の血流動態に影響を与えているものと推測された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Yoshio Suzuki, Koji Osuka, Atsushi Noda, Toshihiko Tanazawa, Masakazu Takayasu, Masato Shibuya, Jun Yoshida.: "Nitric xoide metabolites in the cistemal cerebral spinal fluid of patients with subarachnoid hemorrhage." Neurosurgery. 41. 807-812 (1997)

  • [文献書誌] Koji Osuka, Yoshio Suzuki, Yasuo Watanabe, Aclan Dogan Masakazu Takayasu, Masato Shibuya, Jun Yoshida.: "Koji Osuka, Yoshio Suzuki, Yasuo Watanabe, Aclan Dogan Masakazu Takayasu, Masato Shibuya, Jun Yoshida." J Cereb Blood Flow Metab. 17. 1337-1345 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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