研究課題/領域番号 |
07671515
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研究種目 |
一般研究(C)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
平賀 章壽 大阪大学, 医学部, 助手 (40243232)
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研究分担者 |
早川 徹 大阪大学, 医学部, 教授 (20135700)
大西 丘倫 大阪大学, 医学部, 助手 (70233210)
瀧 琢有 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
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キーワード | Astrocyte / Immortalization / Gene / Cloning / Carcinogenesis |
研究概要 |
研究計画に沿って、ラットアストログリア初代培養細胞、その不死化細胞5株および腫瘍化細胞15株を材料とし、まず各々の細胞のc-DNAライブラリーを作成した。不死化責任遺伝子の検討としては不死化5株と正常アストログリア細胞間でsubstraction libraryを作成し、mRNAの発現が量的に異なる約200個のクローンを得た。そのうち26種類のクローンが未知のシーケンスを有すると考えられた。各々をprobeに定量的northern blotを行った結果、そのうち16種類が、不死化細胞で明らかに増加しており、10種類が逆に低下していた。また、不死化細胞株と発癌細胞cDNA各々をoligo dTプライマーにて増幅し、differential display法にて不死化から悪性化への過程で量的に変化するmRNAを比較検討して74個のクローンをスクリーニングした。このうち、未知のシーケンスで定量northern blot上でも有意であった17種類について、平成8年度に更に検討することにした。 なお、不死化に伴って発現が顕著に増加した既知の分子としては、フィブロネクチンやインテグリンファミリー、heat shock proteinなどを認めた。不死化関連遺伝子産物の一つとされるmortalinも私達の細胞で増加しており、これの関与については今後も検討する予定である。悪性化過程で増加した既知の蛋白分子としては変異型p53の他にc-fos,jun産物を認めた。後2者は2次的と思われた。平成8年度の目標は正常の細胞から不死化へ、また不死化から悪性化へのこれらのサブクローニングされた遺伝子配列の関与を調べ、どれが最も不死化あるいは悪性化に関与するかをつきとめることである。不死化細胞で増加を認めたサブクローニングされた遺伝子は、発現ベクターに組換えてこれを老化細胞に、また悪性化細胞で増えたものは不死化細胞に各々導入して過剰発現させて、各々の不死化や悪性化への関与を評価することによって候補遺伝子を絞り、さらにその全クローニングを目指す。
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