研究課題/領域番号 |
07671517
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
江原 一雅 神戸大学, 医学部, 助教授 (20151996)
|
研究分担者 |
長嶋 達也 神戸大学, 医学部・附属病院, 講師 (80201680)
玉木 紀彦 神戸大学, 医学部, 教授 (10030941)
|
キーワード | spinal cord / ischemia / syringomyelia |
研究概要 |
平成8年度は前年度と同様、実験モデルが確立した家兎脊髄空洞症モデルを用いた。昨年、本実験動物モデルの病理学的所見に関しては報告したが、本年度はその水分動態と脊髄循環障害の動態の変化を調べた。まず経静脈的にエバンスブルーを投与し、共焦点レーザー顕微鏡により血管からのエバンスブルーの漏出を調べたが組織内への漏出は見られなかった。本脊髄空洞発症前に脊髄後索白質内に細胞外水分量が増加することが電子顕微鏡的に確認された。また、空洞周囲に脱髄やグリア細胞の増生が見られた。この所見は6ヶ月後の慢性空洞症においても同様であった。本脊髄空洞症モデルにおいて電子顕微鏡的に確認された白質の細胞外水分量の増加は、脊髄虚血後に起こるとされている血管透過性亢進による血管原性浮腫ではなく、脊髄空洞症に併発する水分動態の異常による可能性が高いことが推察され、この所見は本病態の病因解明に重要な知見と考えられた。
|