研究概要 |
現在までの研究成果について報告する。 1)各種GPT遺伝子導入脳腫瘍培養細胞における6TXに対する感受性の検討し、このシステムの有効性がin vitroで認められた。 2)種々のProdrug(6-thioxanthine,6-thioguanine,melphalan等のDNA合成阻害剤)の検討をGPT遺伝子導入各種脳腫瘍培養細胞を用いて行った。その結果、6-thioxanthineが最も有効なProdrugであった。 3)この遺伝子治療をより臨床応用に近づけるために、レトロウイルスベクター産生細胞による脳腫瘍内遺伝子導入法の検討をした。脳腫瘍細胞のみに選択的に遺伝子導入が可能であり、レトロウイルスベクター産生細胞注入後2-3周目が最大であった。 上記の研究結果より脳腫瘍細胞にGPT遺伝子を導入すると6-thioxanthineに対して新たに感受性を持つことが明らかとなった。またこのシステムは皮下腫瘍や脳腫瘍モデルに対しても有効であり、将来遺伝子治療に応用できる可能性が明らかとなった。今後、より臨床応用に近づけるためには、遺伝子導入をin vivoで行なう必要がある。平成8年度は、レトロウイルスベクター産生細胞を用いて脳腫瘍にin vivoで遺伝子導入を行い、このシステムの有効性あるいは、より有効な遺伝子導入法の利用を試していきたい。
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