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1997 年度 実績報告書

神経の脳内移植に関する形態的・生化学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 07671539
研究機関順天堂大学

研究代表者

屋田 修  順天堂大学, 医学部, 講師 (30265996)

研究分担者 中西 肇  順天堂大学, 医学部, 講師 (90227843)
新井 一  順天堂大学, 医学部, 助教授 (70167229)
キーワード脳内移植 / 神経伝達物質欠損症 / PC12細胞 / オンコジン / ラット
研究概要

ラット褐色細胞腫の細胞株であるPC12にKirsten-ras oncogeneを導入すると、神経細胞様の分化が起こる(細胞分裂の停止、神経様突起の伸展、神経伝達物質の産生)。昨年度はras導入PC12細胞(ras)、非導入PC12細胞(naive)を細胞浮遊液として同量同濃度を定位的に同一成熟ラットの脳内(左右の線状体)に各々移植し、in vivoにおけるその消長を移植後2週目まで比較した。本年度は、移植後さらに長期間の検討を行った。結果1)rasは8週に渡り生着し続けたが、対側の脳に移植したnaiveの細胞群は、この間、徐々に死滅・消失した。2)naiveの移植では、移植部位に出血に起因した大きな空洞が一過性に生じたが、rasの移植では一部に小さな空洞をみるに留まった。3)生着した移植細胞群の占有面積を移植後2週及び4週で検討すると、rasがnaiveより統計的に優位に大きい占有面積をみることが明らかとなった(2週:P<0.05,4週:P<0.02)。4)rasの移植細胞群はtyrosine hydroxylase(TH)およびcholine acetyltransferase (ChAT)の両者が染色されたが、特に、後者では移植細胞内で伸展するneuritesにその局在を見た。これに対しnaiveではTHやChATが染色されるneuritesは観察されなかった。5)電顕の検索ではras、naiveともに移植後2週間の時点でchromaffin granuleを細胞質内に包含していることが捉えられた。考察1)成熟ラットの脳内にrasを移植すると、その細胞は突起伸展能、ドパミンアやセチルコリンなどの神経伝達物質の合成能を保持しつつ生着した。一方、2)naiveは移植後早期に出血に起因した空洞を形成し、移植後の時間経過とともに漸次死滅消失した。
また、PC12とは別にラット羊膜細胞の神経細胞様分化の誘導にも成功し、この細胞の神経移植の可能性を追及しつつある。

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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