研究課題/領域番号 |
07671543
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研究種目 |
一般研究(C)
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
久保田 勝 帝京大学, 医学部, 講師 (30246061)
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研究分担者 |
成田 考而 帝京大学, 医学部, 助手 (90237602)
金光 秀晃 帝京大学, 医学部, 講師 (10129992)
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キーワード | 局所脳虚血 / スフィンゴミエリン / セラミド / 脂肪酸 |
研究概要 |
SDラット(300-350g)をフローセン麻酔下で田村の方法で経眼窩的に中大脳動脈を電気凝固して昨製した。虚血後1、2、6、24、96時間にマイクロウエーブで処理後、大脳皮質(80-100mg)を取りだし脂質抽出に用いた。 1)スフィンゴミリン: Folch法で抽出した総脂質を薄層クロマトグラフィー(TLC)とガスクロマトグラフィー(GLC)を用いC21 : 0の脂質酸を内部標準にして定量した。スフィンゴミエリン量は虚血前2.28±0.17mmol/kgでステアリン酸が約77%、パルミチン酸8%、ネルボン酸7%であった。虚血2時間から1.89±0.25mmol/kgとコントロールと比較して有意に減少を示し、24時間と96時間で更に激減した。ラット中大脳動脈閉塞モデルにおける大脳皮質の神経細胞死は虚血24時間で起こり始めるが、それ以前の虚血後2時間よりスフィンゴミエリンサイクルが作動していることが解かった。 2)セラミド:セラミドは総脂質をフロリジルカラでリン脂質を除去したあとTLC、GLCで同様に定量した。セラミドは虚血前370±62.8μmol/kgで脂肪酸は直鎖酸のみでステアリン酸が40%を占め、つぎにパルミチン酸25%,オレイン酸17%であった。虚血6時間より有意に増加し96時間ではコントロールの約4.2倍まで増加した。 増加したセラミド脂肪酸組成は直鎖脂肪酸のみでステアリン酸が主成分であり虚血刺激によりスフィンゴミエリナーゼが活性化され、スフィンゴミエリンがセラミドとコリンリン酸に水解されることが想定された。また虚血2時間でスフィンゴミエリンが減少しているにも拘らずセラミドの増加が認めらないことは、セラミドが更にセラミダーゼによりスフィンゴシンと脂肪酸に分解されることが推測された
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