研究課題/領域番号 |
07671543
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
久保田 勝 帝京大学, 医学部, 講師 (30246061)
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研究分担者 |
成田 考而 帝京大学, 医学部, 助手 (90237602)
金光 秀晃 帝京大学, 医学部, 講師 (10129992)
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キーワード | 砂ネズミ / 一過性前脳虚血 / 神経細胞死 / 薄層クロマトグラフィー |
研究概要 |
砂ネズミの一過性前脳虚血後(5分間の総頚動脈を一過性に閉塞)、7日目の海馬CA1の神経細胞の細胞死をおこす。このメカニズムもProgramされた細胞死と考えられており、海馬の神経細胞死の認められない2分間虚血、及び耐性獲得後の5分間虚血でスフィンゴミエリンを測定した。 虚血モデルの作成;雄性砂ネズミ(体重60-90g)を使用し、2%ハロセン麻酔下に両側総頚動脈を杉田のクリップで閉塞し、一過性前脳虚血モデルを作成した。閉塞時間は、5分間、2分間、および2分+5分(2回虚血;間隔48時間)の3群を作成した。5分間前脳虚血群は、再開通直後、15、30、90分後、6、24、96時間後にマイクロウェーブ処理後速やかに断頭し、大脳を摘出、両側海馬を顕微鏡下に取り出した(湿重量約50〜60mg)。海馬の脂質を湿重量の20倍量以上のクロロホルム:メタノール(2:1,by volume)を加えてホモジェナイズ後、氷冷静置した。これを濾過し、蒸発乾固して総脂質を得た(Folch法)。薄層クロマトグラフィーで展開しスフィンゴミエリンを分離した。内部標準としてheneicosanoic acidを10mg加え、さらに5%無水塩酸メタノール2mlを加えて85℃でメタノリイシスした。ヘキサンで脂肪酸メチルエステルを抽出し、ガスクロマトグラフィー(島津GC14A)で定量した。5分虚血直後より、スフィンゴミエリンは減少し、30分後にはコントロール値の約半分に低下したが、90分後には回復した。海馬のCA1における神経細胞死が観察される96時間後には、再びスフィンゴミエリンが減少した。脂肪酸組成ではステアリン酸・パルミチン酸が結合したスフィンゴミエリンが有意な変動を示した。これに対し、2分虚血群と2回虚血群では有意な変動は認められなかった。
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