研究課題/領域番号 |
07671544
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
高木 清 帝京大学, 医学部, 講師 (40197059)
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研究分担者 |
中山 比登志 帝京大学, 医学部, 助教授 (00147050)
岡 秀宗 帝京大学, 医学部, 助教授 (20010382)
田村 晃 帝京大学, 医学部, 教授 (80111532)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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キーワード | cerebrovascular disease / subarachnoid hemorrhag / temperature / hypothermia / outcome |
研究概要 |
背景:近年脳の温度が外傷などの重症脳疾患の予後を左右する大きな因子の一つであることが明らかとなってきた。この研究は、クモ膜下出血の急性期温度管理が予後に及ぼす影響を検討することを目的とした。 方法:過去の症例の検討から、GCSのみを基礎にし、予後を良く反映するクモ膜下出血の重症度分類を導き出し、それぞれの重症度における標準的な予後(GOSを数値化して用いた(dead=1からgood recovery=5)を決定する。過去のクモ膜下出血急性期症例の体温と、最近の血管攣縮の頻度を検討する。新たにクモ膜下出血で入院した患者の体温を35・36℃で管理する。温度管理した症例の予後を発症から3ケ月で評価する。 結果:重症度を5段階にして決定でき、I(GCS=15)、II(GCS=11・14)、III(GCS=8・10)、IV(GCS=4・7)、およびV(GCS=3)となった。重症度に対する数値化した予後の期待値は4.68±0.05、4.10±0.06、3.55±0.11、2.65±0.10および1.81±0.22であった。最近2年間の当院における血管攣縮の頻度は13%であった。クモ膜下出血急性期例の入院時体温は重症例ほど低かった。クモ膜下出血急性期の8例に対して温度管理を行ったが、血管攣縮は3例に認められ、住所合併症(敗血症)も1例に認められ、予後も期待値を上回ることができなかった。 結論:クモ膜下出血急性期に対する低体温療法(温度管理療法)には未解決な問題が多く、現時点での導入には極めて慎重でなければならない。
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