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1995 年度 実績報告書

プロテインキナーゼ-C活性抑制物質を用いた悪性脳腫瘍治療の基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 07671554
研究種目

一般研究(C)

研究機関(財)田附興風会

研究代表者

岩崎 孝一  財団法人田附興風会, 医学研究所・第3研究部, 研究員 (30250062)

キーワードプロテインキナーゼ-C(PKC) / 悪性神経膠細胞 / PKC活性抑制物質 / タモキシフェン / 抗腫瘍効果 / TNF / IFN / 相乗効果
研究概要

プロテインキナーゼ -C(PKC)は正常細胞のmalignant transformationに関与する酵素であり、悪性新生物においてPKS活性の異常亢進みられることが示唆されている。この事実を基に本研究では,PKC活性抑制物質のヒト悪性神経膠腫細胞に対する抗腫瘍効果を細胞増殖能抑制及び浸潤能抑制効果の2点から評価することを目的とする。
(1)まず代表的なPKC活性抑制物質であるタモキシフェンを用い、我々が樹立した種々の悪性度持つ神経膠腫細胞株(glioblastoma 3株,low-grade astrocytoma 3株)に対する抗腫瘍効果を解析した。その結果タモキシフェンは、いずれの細胞の増殖能及び浸潤能を抑制することがわかった。これに対して、同薬剤は正常脳細胞に対しては何の毒性も持たないことを示した(北野紀要に報告)。
(2)PKCはTNFやIFN等のサイトカインの伝達機構にも関与していることが示されている。この事実を基に、ヒト悪性神経膠腫細胞に対するPKC活性抑制物質とこれらのサイトカインとの相互作用を調べた。上記の神経膠腫細胞株の中、TNFに特に強い感受性を示す細胞(WITG3)を用い、PKC活性抑制物質とTNFが相乗的な抗腫瘍効果を持つ可能性がることを証明した。さらにその相乗のメカニズムを分子生物学的に解析した結果、PKC活性抑制物質が神経膠腫細胞におけるTNFのシグナル伝達機構に関与することがわかった(Cancer Immunol immunotherapyに報告)。
(3)さらにクローンレベルでの実験を目的とし、悪性神経膠腫細胞株に対しクローニングを行った結果1個のクローン(9C)を得ることに成功した。現在このクローンの性質を解析中であるが、グリオーマ特異抗原の発現を始め悪性神経膠腫細胞の性質を持つことの他、非常に高い増殖能や浸潤能を持つことがわかった。このクローンにおける癌遺伝子の発現に関しては現在解析中である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 岩崎孝一ら: "タモキシフェン(protein kinasa C inhibitor)がヒト星細胞腫の増殖能と浸潤能に及ぼす効果" 北野紀要. 39. 125-129 (1995)

  • [文献書誌] Iwasaki k, et al: "Inhibitory effects of tamoxifen and tumor necrosis factor α on human glioblastoma cells" Cacer Immunol Immunother. 40. 228-234 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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