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1995 年度 実績報告書

外傷性てんかんの発症と予防に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 07671555
研究種目

一般研究(C)

研究機関(財)山形県テクノポリス財団(生物ラジカル研究所)

研究代表者

平松 緑  財団法人山形県テクノポリス財団生物ラジカル研究所, 医学薬学研究部, 部長 (70124790)

研究分担者 小松 真紀子  財団法人山形県テクノポリス財団生物ラジカル研究所, 医学薬学研究部, 研究員 (80280709)
中島 雅央  財団法人山形県テクノポリス財団生物ラジカル研究所, 医学薬学研究部, 研究員
中井 昴  山形大学, 医学部・脳神経外科学講座, 教授 (60018356)
キーワードin vivo / ESR-CT / ラット / 外傷性てんかん / フリーラジカル / 鉄塩誘導てんかん焦点
研究概要

ラットの左大脳皮質に鉄塩溶液を5μl注入するとてんかん様発作波が出現し、これは外傷性てんかんのモデルとみなされている。今までにin vitroの実験結果から鉄塩誘導てんかん焦点形成のメカニズムには鉄塩投与により生ずるヒドロキシラジカルの発生ならびに連鎖反応により生じるフリーラジカルが起因していることを明らかにしてきた。
今回はL-バンドelectron spin resonance(ESR)スペクトロメトリーによりin vivoにおいて鉄塩誘導てんかん焦点形成のメカニズムにフリーラジカルが関係していることを検討した。ラットの左大脳皮質に鉄塩溶液を注入後、腹腔内にニトロキシドスピンラベル剤のC-PROXYLを注入し、ラット頭部のニトロキシドラジカルの時間経過を検索した結果、鉄塩投与15分後にニトロキシドラジカルの半減期は増加し、さらに15分後に最高値を示したが、鉄塩投与3時間後に減少した。しかし依然として半減期は増加していた。また鉄塩溶液を投与した1週間後には半減期は増加していた。しかし抗酸化作用のしる小柴胡湯合桂枝加芍薬湯(TJ-960)を予め投与するとこの半減期の増加は抑制された。また、桃核に鉄塩溶液を注入すると、半減期は増加する傾向が認められた。ニトロキシドラジカルの半減期の増加はてんかん焦点部位にフリーラジカルが過剰に発生していることを示しているので、in vivoにおいてフリーラジカルがてんかん焦点形成に関与していることが示唆された。
次にラットの右線条体に鉄塩溶液を30μl注入するとてんかん原性焦点が形成される。鉄塩投与1時間後にC-PROXYLを腹腔内に注入すると、右線条体にニトロキシドラジカルの分布がin vivo空心型L-バンドESR-computed tomography(CT)により捉えられた。しかし、鉄塩溶液と同じpHの生理食塩水をコントロールとして注入するとニトロキシドラジカルの分布は認められなかった。また左線条体に鉄塩溶液を30μl注入するとニトロキシドラジカルの分布は左線条体に認められた。今回初めて鉄塩誘導てんかん焦点部位にニトロキシドラシカルの分布を認めた。
以上の実験成績よりin vivoにおいて鉄塩誘導てんかん焦点形成のメカニズムにはフリーラジカルが関与していることを明らかにした。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Hiramatsu, M.: "Free radical imaging by electron spin resonance computed tomography in rat brain" Brain Res.697. 44-47 (1995)

  • [文献書誌] Hiramatsu, M.: "Electron spin resonance imaging of rat brain" Magnetic Resonance in Medicine. 6. 62-64 (1995)

  • [文献書誌] 小松 真紀子: "老来福のフリーラジカル消去作用" Neurosciences. 21. 129-132 (1995)

  • [文献書誌] Hiramatsu, M.: "Free radical scavenging activity of Zonisamide" Magnetic Resonance in Medicine. 6. 273-275 (1995)

  • [文献書誌] Komatsu, M.: "Effect of TJ-960 on free radical changes within an iron-induced tocal epileptogenic region in rat brain measured by in vivo L-band electron spin resonance" Neurosci. Lett.(発表予定).

  • [文献書誌] Yoneda, T.: "Antioxidant effects of “β CATECHIN"" Biochemistry Molecular Biology Inter.35. 995-1008 (1995)

  • [文献書誌] Hiramatsu, M.: "Bioradicals Detected by ESR Spectroscopy" H. Ohya-Nishiguchi, L. Packer, 337 (1995)

  • [文献書誌] Hiramatsu, M.: "Free radicals in Brain Physiology and Disorder" L. Packer, M. Hiramatsu, T. Yoshikawa(発表予定),

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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