研究概要 |
1.高肺転移系ラット骨肉腫S-SLMの継代と,実験群の作成 S-SLMは肺転移巣を無菌的に採取し,Fisher系雄性ラットの背部に皮下移植し継代した.実験群は以下のように4群,各群10匹で,計40匹のラットにS-SLMを皮下移植し作成した. 2.ヘマトポルフィリン(以下Hp)結合マイトマイシンC(以下MMC)の作成 両者のconjugateは,DCC(脱水剤)と4-dimethylaminopyridin(塩基)の存在下で両者を暗所で反応させ,脱水縮合させることにより作成した. 適正濃度の設定実験 ・control群:基剤(DMSO)のみ投与 HP-MMC低量群:MMC濃度で4.48x10-7molを単回投与 HP-MMC群:MMC濃度で8.97x10-7molを単回投与 HP-MMC大量群:MMC濃度で1.79x10-6molを単回投与 結果 1)生存期間:Hp-MMC大量群が約80%と良好な生存率を示した.Hp-MMC群とHp-MMC低量群では生存率は約60%,Control群では約50%であった. 2)肺転移数でもHp-MMC大量群が平均で54個であり,Hp-MMC群の80個,Hp-MMC低量群の120個,control群の250個に比較し少なかった。 3)転移巣内壊死面積比でもHp-MMC大量群が平均で18%であり,Hp-MMC群とHp-MMC低量群の12%,Control群の9%に比較し良好な腫瘍の壊死が観察された。
|