研究概要 |
1.関節炎やル-スニングを惹起する小粒子の作製 アルミナ結晶およびハイドロキシアパタイト結晶の粒子を粒径を整えて作製し、表面形状を測定した。 2.ヒト白血球膜を分離して、 (1)ハイドロキシアパタイト結晶について見出した28KDaのタンパクの他に、どんなタンパクが関節炎やル-スニングを惹起する小粒子の認識のために重要であるかを主に化学発光法を用いて検討した。 (2)ハイドロキシアパタイト結晶に吸着する白血球膜成分分画による化学発光阻害に特異性があるかどうかを調べるために、やはり粒状物質であるザイモサンに吸着する分画による化学発光阻害とを比較し検討した。 (3)どんな小粒子がチロシンリン酸化を起こしやすいかを、ウエスタンブロットを用いて検討した。 (4)どんな小粒子がADPリボシル化を起こしやすいかを検討した。 3.ヒト白血球において、ハイドロキシアパタイト結晶について見出したカルモジュリンを介する系の他に、どんな細胞内情報伝達系が関節炎やル-スニングを惹起する小粒子のために重要であるかを主にそれぞれの阻害剤を用いることで検討した。 4.関節炎やル-スニングを惹起する小粒子が細胞内のホスホリパーゼA,C,Dやチロシンキナーゼをどのような機構で活性化するかを解明した。 5.人工股関節再置換症例と初置換症例とで差異があることを見出した白血球機能を検討して、各患者さんに適した人工関節材料の選択法や生体反応の少ない人工関節材料の選択や開発を考慮した。 6.結晶性関節炎患者や人工関節手術後のル-スニングをおこした患者および健常者間で小粒子に対する白血球内情報伝達機稗に差異があるかどうかを比較検討した。 7.今後も関節炎やル-スニングを惹起する小粒子に対する生体反応解明に寄与するだけではなく、生体反応の少ない人工関節材料の開発、および各患者に適した人工関節材料の選択法解明のために更に研究を進めて行きたい。
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