| 研究課題/領域番号 |
07671572
|
|---|
| 研究種目 |
基盤研究(C)
|
| 配分区分 | 補助金 |
|---|
| 応募区分 | 一般 |
|---|
| 研究分野 |
整形外科学
|
|---|
| 研究機関 | 千葉大学 |
|---|
研究代表者 |
吉永 勝訓 千葉大学, 医学部, 助手 (30270870)
|
|---|
| 研究分担者 |
山縣 正庸 千葉大学, 医学部, 助手 (00220244)
大野 隆司 千葉大学, 工学部, 教授 (70009257)
|
|---|
| 研究期間 (年度) |
1995 – 1996
|
| キーワード | 人工髄核 / 生体材料 / 腰椎椎間板 / 椎間板変性 / 椎間板修復 / 脊椎固定術 |
|---|
| 研究概要 |
脊椎椎間板病変にたいし椎間可動性を温存させるための試みとして人工髄核を開発し、その物性とその置換操作の検討をした。本研究では強靭な椎間板線維輪を残し、かつそれとコラーゲンが結合して作用するものとして、可溶性コラーゲンのゼラチン物質を考えそれを硬膜剤と混合することにより髄核に近いものとして実験を行った。その結果、可溶性コラーゲンとしてのゼラチン物質は30%溶液として、体温に近い温度およびpHにて安定した物性を示した。ゼラチンと硬膜剤を別々の容器にいれ、それらを同時にかつ均等に混合させて瞬時に凝固させるために先端で2剤を混合し注入できる人工髄核注入器を作製した。以上の結果および器具をもとに、ビ-グル犬3頭の腰椎に前方より人工髄核の注入実験を行った。髄核注入器の挿入は前方線維輪より10mmの部位としがそこで椎間板の中心部にとどまる注入量は0.3mlが適量と考えられた。人工髄核注入時に割を入れた線維輪ではその修復が問題となる。線維輪の損傷が2mm以上の大きい例では人工髄核の注入時および注入後に一旦凝固した人工髄核が脱出してしまい椎間板の中心部にとどまることができなかった。そのため、線維輪の損傷は直径2mm以下と最小限とする必要性を認めた。そのため、マイクロ用髄核鉗子にて髄核を摘出し、人工髄核注入後に最外層の線維輪をできる限り縫縮することにより注入髄核の脱出を防止できる可能性を認めた。今後は荷重負荷による髄核の内圧変化および髄核内の水やプロテオグリカン濃度関係、さらには線維輪の修復など長期経過の問題が残されている。また、ゼラチン様物質やコラーゲン物質によるアナフィラキシ-反応の報告があり今後はこれらの物質の精製など検討を要すると考えている。
|
