研究概要 |
3次元コンピュータシミュレーションを利用して、独自に開発した新しいセメントレス人工股関節ステム(FMSステム)と、既存の代表的市販ステムとを、本邦に多い臼蓋形成不全に由来する二次性股関節症30例の近位大腿骨髄腔に重ね合せ、3次元的な適合性を解析した。結果、小転子下端レベルおよび髄腔狭部レベルにおいて、ステムの髄腔占拠率(Fill)、皮質骨との接触率(Fit)は、FMSステムが他のステムに比べ、有意に高いことがわかった:CAS'95('95.6.,Berlin)、8th ISTA('95.9.,Puerto Rico)にて発表。 また、FMSステムと市販のステム(Omnifit型)を挿入した際の3次元非線形FEM応力解析を行ったところ、FMSステムはOmnifit型に比べ、ステム近位部での荷重分散が認められた:第22回日本臨床バイオメカニクス学会('95.10.,金沢)にて発表。また回旋力に対して、FMSステムはOmnifit型に比べ、ステム近位外側部でのステムの骨に対する相対的変位量が小さく抑えられており、preclinical testとして大腿骨近位部でのFMSステムの初期固定性が高いことが示唆された:第26回日本人工関節学会('96.2.,東京)にて発表。
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