研究概要 |
ヒト海綿骨から抽出したmRNAを用いたサブトラクションハイブリダイゼイションによる遺伝子の選択の実験が当初予想したようには芳しく進行せず、実験の進行法を少し変更した。我々はヒト海綿骨から初代培養した骨芽細胞様細胞で発現している新規遺伝子の同定を並行して行っている。この中ですでに全長cDNAを決定したいくつかの新規遺伝子のプローグを用いて、ヒト海綿骨から抽出したRNAでのNorthern hybridizationを行い、Northern hybridization上での、低骨量者と高骨量者の比較を行うこととした。ヒト海綿骨から抽出したRNAでのNorthern hybridizationを行った結果、4847bp、1382アミノ酸をcodeし基底膜に存在する基質蛋白のNidogenと類似しておりEGF lile repeat、Thyroglobulin type 1 reepeatといったmotifを持つ遺伝子と、全長3061bp、845アミノ酸残基からなり、マウスで既にクローニングされていた転写因子AEBP1と強い相同性を有しそのヒト型の遺伝子と考えられる遺伝子について、ヒト海綿骨内にもmRNAが発現していることを確認した(Biochem Biophys Res Commun,228,1996、第14回日本骨代謝学会、第11回日本整形外科学会基礎学術集会発表)。現在、複数の患者から採取した海綿骨のRNAを用いてこれらの遺伝子の発現の個体差を検討しているところである。
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