成人遺体を用い、肉眼解剖を行った。 その結果、現在までに得られた知見としては、1)ほぼ全脊柱(頚部、胸部、腰部)におて洞椎骨神経の存在が確認された。2)洞椎骨神経の起始は脊髄神経及び交感神経交通枝からであった。3)ほとんどの洞椎骨神経は、脊髄神経及び交感神経交通枝から分岐した後、1本の神経線維となって末梢へと分布していたが、2本、あるいは3本の神経線維となっているものが観察し得た。この様な、一つのレベルの起始神経線維から、複数の洞椎骨神経が起こるということは、これまでほとんど報告がなく大変興味深い知見であると思われた。4)洞椎骨神経の末梢は、後縦靱帯、椎間板及び脊髄硬膜に分布していた。 今後は、腰部脊柱周囲に焦点を絞り、同部の神経線維解析を進めていきたい。
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