研究概要 |
RAにおけるサイトカインネットワーク中のグリオスタチンの位置付けを解明するためRA滑液中のサイトカイン(interleukin-1,interleukin-6,interleukin-8,tumor necrotic factor alpha)濃度とグリオスタチン濃度との相関関係を検討した。滑液中においては、グリオスタチン濃度はIL-1、IL-8濃度と相関関係があった。 次に培養滑膜細胞でのグリオスタチン産生の検討するために、人工膝関節置換術のさいに採取した滑膜を初代培養し、3代から9代継代した。この培養滑膜細胞をIL-1、IL-8、IL-6、TNF alphaにて刺激したところグリオスタチンタンパクの産生が認められた。 さらに、グリオスタチンのin vivoでの作用を検討するために大量のグリオスタチンが必要となるため、グリオスタチンcDNAを組み込んだ発現ベクター(pET-His)をE.coliにトランスフェクトしグリオスタチンを発現させ、グリオスタチン組換体を大量に調製した。平成8年度はこのグリオスタチン組換体をウサギ膝関節内に注入し滑膜炎発症作用を解析する予定である。 平成7年度はおおむね計画通りの研究が達成された。培養滑膜細胞でのグリオスタチン発現実験において、今年度はタンパク質レベルでのみ検討したが、mRNAレベルでの検討も必要と思われる。
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