1.Micro-Damage累積に関する数学モデルの作成 生体骨に累積される真のdamage量は累積速度と修復による修復速度差で決まる。これを所定のくり返し負荷時間で積分すると疲労破断に至るまでの時間、すなわち余寿命が推定できる。骨のDamage累積速度はラット頚骨に油圧駆動式荷重試験装置を用いて曲げモーメントを加え、その間、発生するAE信号のイベント数を計測することでこれをDamage数とした。まけ、曲げモーメント量と破くり返し数の関係を求めた。周期30Hzの曲げモーメント5kg.cmで破断くり返し数は10^3回、3kg.cmで10^5回であった。AE発生頻度と曲げモーメント量の間には正の相関は認められたが、これをそのままDamage累積速度とみなすのは困難で、更なる検討が必要であった。 2.骨のturn-over時間の計測 ラット頚骨に上記の荷重装置を用いて既知量の曲げモーメントを加え、テトラサイクリン(TC)30mg/Kg/dayを一週間の間隔で2度投与し、屠殺後に硬組織標本を作成し、蛍光下で骨の平均turn-over時間を計測した。くり返し負荷を加えた実験側では顕著にTC二重像の幅が拡大した。また、荷重方向によりその傾向が顕著であり、これは、骨のMicro-Damage修復に伴うturn-over時間の短縮であると解釈できた。ただし、くり返し周波数との関係は明確ではなかった。
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