研究概要 |
卵巣摘出をしないラットにおける骨髄損傷後の成長因子(bFGF,TGF-β)の発現は2相性である事が判明した。即ち,損傷後3日目にbFGFがピークとなり,それとともに骨芽細胞による骨形成が進行し,破骨細胞による骨吸収期(7日目)に再びbFGFがピークとなってくる。TGF-βは骨吸収期にむしろピークがある。このモデルにおける骨形成に重要な役割を果しているのはbFGFであるが,bFGFやTGFβが破骨細胞に何らかの影響を与えている可能性がある。 卵巣摘出ラットにおいては,骨形成が明らかに遅れ,7〜8日ではじめて骨芽細胞による骨形成が行なわれ,2週間で破骨細胞による骨吸収が終る。当初推測していた,卵摘後の一過性の骨形成亢進は見られなかった。現在,エストローゲン欠乏下において,bFGF,TGF-β及びIL-6などの遺伝子発現のパターンについて,RT-PCR及びNorthern lolotによる分析を行なっている。
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