研究課題/領域番号 |
07671645
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
稲葉 英夫 秋田大学, 医学部, 教授 (60159952)
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研究分担者 |
黒澤 伸 秋田大学, 医学部, 助手 (60272043)
円山 啓司 秋田大学, 医学部, 助教授 (80125707)
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キーワード | 虚血再潅流 / 吸入麻酔有り / ストレス蛋白 / 摘出潅流肝 / 大食細胞 |
研究概要 |
ラット摘出潅流肝を用い、虚血再潅流障害に対する各種吸入麻酔剤の効果を検討した。ハロセン、イソフルラン、セボフルランのすべてが虚血再潅流障害を抑制したが、イソフランが最も際立った効果を示した。また、イソフルランは再潅流時のみに投与しても抑制効果があった。Cytochrome C酸化法を用い、低酸素・再酸素化過程における肝内の細胞外oxident産生を定量した。イソフルランは、再酸素化時の細胞外オキシダント産生を有意に抑制し、再酸素化後の逸脱酵素の流出を抑制した。また、再酸素化時の細胞外oxidant産生は、Kupffer cell(大食細胞)の不活性化をもたらすgadolinium chloride処置により抑制された。したがって、吸入麻酔剤による肝虚血再潅流障害の抑制には、吸入麻酔剤のKupffer cellに対する抑制作用が関与していると考えられる。 各種吸入麻酔剤は、虚血・再潅流時の細胞内カルシウム増加による肝血流・代謝変動を再現しうるCa-ionophoreによる血流・代謝変化を軽減した。したがって、吸入麻酔剤は、虚血・再潅流障害に関与すると考えられる細胞内カルシウム増加による血流・代謝変化に対しても抑制的に作用すると考えられる。 摘出潅流肝に対し、各種の程度の虚血・低酸素を負荷し、代表的ストレス蛋白であるHsp70 mRNAの発現をNothern blot analysisにより半定量化した。Hsp70の発現は、虚血・低酸素の程度と比例していた。吸入麻酔剤は、再潅流時のオキシダントストレスを和らげることが示されたので、吸入麻酔剤のストレス蛋白発現機構に対する影響は、ストレスの程度を一定にできる実験系で検討する必要がある。
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