3.0-3.5kgの日本白ウサギ10羽をケタミン50mg/kg筋注にて麻酔後、気管切開し、気管内チューブを挿入し、一回換気量40ml、呼吸回数25回/分にて人工呼吸した。耳静脈および耳動脈にカテーテルを挿入し、輸液および動脈圧測定を行った。加温ブランケットを用いて体温を38-39度に保った。必要に応じて麻酔薬および筋弛緩薬を投与した。磁気共鳴スペクトルは、直径3cm1巻きの表面コイルを用いて、ウサギ頭部よりF19スペクトルを測定した。得られたスペクトルによる脳内よりのセボフルラン排泄は、考えられるよりも異常に遅く、頭部の皮膚および骨などの組織に溶解したセボフルランの影響と考えられた。そこでウサギに対して直径2.5cmの開頭をし、直径1.4cm2巻きまたは直径1.0cm3巻きの表面コイルで測定したところ、直径1.0cmのコイルで良好なスペクトルが得られた。セボフルラン4%で30分以上麻酔後、セボフルラン吸入を停止し、呼着麻酔ガス分析をDatex社製赤外線麻酔ガス分析計にて、またセボフルラン濃度をシーメンス旭社製4.7テスラ磁気共鳴装置によるスペクトルにて測定した。測定は、吸入停止前、吸入停止後1、2、3、4、5、6、8、10、15、20、30、40、50、60分後に行った。これによって得られたデータを指数関数曲線にあてはめ、排出曲線を求めている。
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