研究課題/領域番号 |
07671656
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研究種目 |
一般研究(C)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
白神 豪太郎 京都大学, 医学研究科, 助手 (20235740)
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研究分担者 |
森 健次郎 京都大学, 医学研究科, 教授 (90199224)
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キーワード | 内皮由来血管作動性物質 / エンドセリン / C型ナトリウム利尿ペプチド(CNP) / 一酸化窒素(NO) / アドレノメデュリン / 心房性ナトリウム利尿ペプチド / プロスタグランディン / 手術侵襲 |
研究概要 |
1.手術侵襲の比較的小さい手術においては、吸入麻酔薬及び手術は血中エンドセリン(ET)濃度に影響を与えなかった。手術侵襲の大きな手術では血中ET濃度は手術中より上昇し、手術終了前後に頂値を示し、以後漸減した。手術前後における血中ET濃度の変化と手術時間あるいは術中出血量との間には有意の正の相関関係が存在した。手術前後における血中ET濃度の変化と心拍数あるいは血圧の変化との間には相関関係は存在しなかった。出血性ショック患者においては、ショック蘇生後に血中ET濃度が著しく上昇しており、ショック蘇生後数日以内に死亡した症例では生存例に比べて血中ET濃度はより高値であった。敗血症例においても血中ET濃度は上昇しており、特に、敗血症性ショック例では、ショックの無い敗血症例に比べてより上昇していた。血中CNP濃度もこれらの症例においてほぼ血中ET濃度に平行して上昇したが、敗血症性ショック患者では血中CNP濃度が血中ET濃度の上昇度よりも著しかった。 肝移植患者で血中ET濃度の変化を観察した。血中ET濃度は手術前から上昇しており、無肝期に減少し、再潅流後再び上昇した。このことより、不全肝でET産生が亢進していること、肝移植手術後の血圧上昇におけるETの役割が示唆された。 2.ラット摘出腸管膜動脈灌流標本から、ETのみならずC型ナトリウム利尿ペプチド(CNP)もまた分泌されていることを確認した。犬にエンドトキシンショックを導入すると血中ETおよびCNP濃度が著しく上昇した。 3.ラット摘出潅流心臓からのETの分泌を確認した。現在この系を用いて種々の刺激のET分泌に及ぼす影響を検討している。 4.プロスタノイドの心臓からの心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)分泌に及ぼす影響を摘出潅流心臓を用いて検討した。10^<-8>から10^<-6>Mのプロスタグランディン(PG)F_<2α>、トロンボキサンA_2およびPGD_2はほぼ濃度依存性にANP分泌を上昇させた。10^<-6>MのPGE_2はANP分泌を減少させ、10^<9-8>から10^<-6>MのPGI_2はANP分泌に影響を与えなかった。10^<-8>MのアドレノメデュリンはANP分泌を減少させた。
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