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1996 年度 実績報告書

神経成長因子が神経因性疼痛の発生に及ぼす影響に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 07671672
研究機関宮崎医科大学

研究代表者

宇野 武司  宮崎医科大学, 医学部, 助教授 (70038842)

研究分担者 小佐井 和子  宮崎医科大学, 医学部, 助手 (00234740)
キーワード神経成長因子 / 神経因性疼痛
研究概要

神経成長因子が神経因性疼痛モデルに与える影響を観察した結果、神経因性疼痛モデルにみられる熱侵害域値の低下が神経成長因子により元に戻ることを見い出した。このことから治療に難渋している神経因性疼痛に神経成長因子が有用であることが示唆された。
当初の計画から変更した点は次の通りである。1.神経因性疼痛モデルの作製においては右坐骨神経だけを処置し、左坐骨神経は処置せずこれを比較対照とした。2.神経成長因子は腹腔内投与でなく、結紮部位に直接投与した。神経成長因子の代わりに溶媒であるリン酸緩衝液だけ投与したものを比較対照とした。
実施した内容について述べる。1.神経因性疼痛モデルは、ラットの右坐骨神経を結紮して作製した。手術後、左坐骨神経の支配領域に比べ、右坐骨神経の支配領域で熱侵害域値が有意に低下した。これは、神経因性疼痛モデルの作製に成功したことを意味する。2.ウゴバジル社製プランターテストを利用し、足底に熱刺激を加えて足を引っ込めるまでの時間を0.1秒単位で測定し、安定した値を得た。これは動物の疼痛行動をみるために開発されたもので信頼できる。3.右坐骨神経の結紮時、浸透圧ポンプを背部の皮下に埋め込み、チューブ先端からヒト・リコンビナント神経成長因子または溶媒だけを結紮部位に持続投与した。浸透圧ポンプを用いて薬物を投与する方法は、多くの研究に利用されており信頼できる。4.右坐骨神経の結紮部位に神経成長因子を投与したものは、溶媒だけ投与したものに比べ、右坐骨神経の支配領域における熱侵害域値は上昇していた。
今後、神経因性疼痛モデルにみられる熱侵害域値の低下を神経栄養因子が元に戻す機序を神経系における神経成長因子の受容体発現という観点から研究する。

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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