(平成7年度) ラット上部腰椎椎間に硬膜外カテーテルを留置したが、硬膜の損傷、カテーテルの抜け落ちなどにより硬膜外麻酔をおこなうことができなかったそこで、高濃度プロカイン含有pHセンサ電極をザリガニの巨大軸索に刺してプロカインにより細胞内pHが上昇するかどうかを確かめた。1mMのプロカイン灌流により細胞内pHは0.18上昇し、2mM、4mMと濃度を増やすとdoose dependentに細胞内pHが上昇することが確認された。これにより膜を通過した非イオン化型のプロカインが細胞内pHを上昇させることが確認された。同様に硬膜を通過したプロカインが髄液pHを上昇させると予測された。 (平成8年度) 硬膜外カテーテルを腰椎部に留置してpH6の塩酸プロカインの注入(0.2ml)をおこなうと、わずかに大槽内の髄液pHが変化するが(±0.02の変化)、一定の傾向がみられなかった。この原因は局所麻酔薬溶液の漏れが多いためかカテーテル挿入時に硬膜を傷つけたためと考えられた。しかし、例数が少なく(3例)最終的な結果は得られていない。何も投与しないときの髄液のpHに関しては、自発呼吸下でpH7.2-7.3というデータが得られた。 (平成9年度) 研究期間を延長し、ラット硬膜外麻酔と髄液PHの測定を試みたが成功せず、唯一硬膜外麻酔下のPHを測った結果では硬膜外麻酔によって、髄液PHの変化は観察されなかった。
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