研究概要 |
【動物実験】犬におけるエンドトキシンショック・モデルで顆粒球エラスターゼ活性を阻害することにより、血管内皮障害は軽減された。しかも、血管内皮障害の抑制効果は、顆粒球エラスターゼ阻害剤の前投与群だけでなく後投与群においても認められた。 [結果] 1.前投与群の効果については、2nd International Conference on SEPSIS in ICU(The role of neutrophil elastase inhibitor on the endotoxine shock model in dog.:Maastricht,Netherland.27-29 June 1995)において、 2.前投与群と後投与群の比較検討については第3回世界ショック学会(The effects of the neutrophil elastase inhibitor(ONO-5046)on the endotoxin shock model in dog.-Comparison of the studies between pre and post-treatment of ONO-5046-:浜松,10月21-23日,1995)においてそれぞれ学会発表をおこなった。 これらの発表から、顆粒球エラスターゼは、血管内皮障害において重要な因子の一つとの知見が得られた。本研究の結果は、現在Journal of Critical Care Medicine(USA)へ投稿中である。 【臨床研究】 エンドトキシンショックの臨床例で顆粒球エラスターゼ・各種パラメータ・サイトカインを測定した。急性肺障害では、顆粒球エラスターゼ・各種パラメータ・サイトカインの測定値は、血液中より肺水腫液中または、肺胞洗浄液中の値の方が数倍から数十倍高く、急性肺障害の重症度をより反映するとの知見を得た。
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