研究概要 |
1.心筋虚血再灌流不整脈のラット摘出心灌流モデルを用い、ADF(ATL-derived factor)単独投与,SOD単独投与およびADF,SOD併用投与の影響について検討した。 ADF0.5〜0、75mg/lの濃度で虚血再灌流不整脈の発生が抑制され,SODではSOD 1×10^4で有意に再灌流不整脈発生が抑制された。ADFおよびSODの併用投与では0.5mg/lとSOD5×10^3の濃度でADFおよびSOD単独投与以上の虚血再灌流不整脈抑制効果が認められた. 2.つぎに現在用いられている4種の麻酔剤(ハロセン、イソフルラン、エンフルレン、セボフルレン)1MAC,2MAC,3MAC投与における虚血再灌流不整脈に及ぼす影響について検討した. 麻酔剤は虚血再灌流不整脈を抑制するが,その抑制の強さはハロセンが最も強く,次いでエンフルレン,イソフルラン,セボフルレンの順であった.特に2MACにおけるハロセンの抑制効果は顕著であった. 3.臨床上ハロセンはカテコラミンの投与化において催不整脈作用をもっており,上記の実験につづき,エピネフリン投与下での不整脈発生と麻酔剤ハロセンおよびセボフルレンの併用による虚血再灌流不整脈への影響について検討した. エピネフリン単独投与下では10^<-5>mol/lまでの濃度で用量依存的にVF発現頻度を増加させたが,ハロセンとセボフルレンは10^<-6>,10^<-5>mol/l濃度のエピネフリン投与下の虚血再灌流状態においてVFの発現頻度と持続時間を抑制した.
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