研究課題/領域番号 |
07671695
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
村川 和重 兵庫医科大学, 医学部, 助教授 (70104263)
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研究分担者 |
前田 成夫 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (50268554)
松田 真也 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (20258156)
野間 研一 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (00218348)
湊川 徹 兵庫医科大学, 医学部, 助教授 (00068488)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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キーワード | 顔面神経 / 顔面神経麻痺 / 交感神経 / 微小循環 / 組織血流量 |
研究概要 |
特発性末梢性顔面神経麻痺の成因は十分に解明されていないが、主たる病態として虚血の関与が考えられているものの、初期の循環障害発生のメカニズムの詳細は不明である。そこで、顔面神経の微小血管系に影響を及ぼす因子として交感神経系の関与を推測し、顔面神経の生理的機能に関わる微小循環に及ぼす交感神経機能の影響をみるため、頸部交感神経系の機能の変化や呼吸状態の変化による顔面神経の組織血流量の変化を検討した。 研究対象として雑種成犬を用い、静脈麻酔下に一定換気条件にて人工呼吸とし、総頸動脈血流量を電磁流量計にて測定し、顔面神経の組織血流量をレーザー・ドプラー組織血流計にて測定した。平成7年度は、頭頸部の交感神経機能を直接的に変化させ、顔面神経の微小循環に及ぼす影響を検討する目的にて、頸部交感神経幹を電気刺激したり、化学的に遮断して交感神経機能を直接的に変化させたところ、頸部交感神経幹の刺激により顔面神経の微小循環は著しく障害され、一方遮断により微小循環が著明に改善されることが明らかとなった。平成8年度は、交感神経機能を呼吸状態の変化から中枢性機序で間接的に変化させ、顔面神経の微小循環に及ぼす影響を検討する目的にて、換気条件を変化させて動脈血中の炭酸ガス分圧を変化させたところ、高炭酸ガス血症により総頸動脈血流量は軽度増加したものの、顔面神経の組織血流量は減少した。しかも、低炭酸ガス血症によっては顔面神経の微小循環は影響を受けなかった。 これらの結果から、頭頸部の交感神経機能や中枢性機序による交感神経機能は、顔面神経の微小循環に対して影響を及ぼす重要な因子と考えられ、交感神経機能の亢進が顔面神経の微小循環を障害すると思われた。 今後、交感神経機能との関わりから、本症に対する治療についての検討を続けたいと考えている。
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