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1995 年度 実績報告書

水腎に伴う対側腎障害促進因子

研究課題

研究課題/領域番号 07671703
研究機関東北大学

研究代表者

近田 龍一郎  東北大学, 医学部・付属病院, 講師 (10225609)

研究分担者 千葉 裕  東北大学, 医学部, 助手 (00227331)
キーワード水腎 / 腎機能 / 尿albumin / 糸球体硬化 / 糸球体肥大 / 腎間質増成 / アンギオテンシン変換酵素阻害剤
研究概要

水腎の対側健腎に対する長期的影響を、腎の発育が成熟過程にある生後3週前後の雄S-D ratを用いて実験的に検討した。また、この変化に対するアンギオテンシンII変換酵素阻害剤enalaprilの影響についても検討を行った。
左水腎作成(水腎群)後4ヶ月目から健腎側に顕著な腎間質の線維化と硬化糸球体の増加が認められた。尿albumineは5ヶ月以降増加した。腎摘群では7ヶ月目に腎間質の線維化、硬化糸球体の増加、尿albuminの上昇が観察された。糸球体サイズをみると、腎摘群では高度の糸球体肥大が観察されたが、水腎群健腎では、糸球体肥大の程度は腎摘群より軽度であった。
次にenalapril投与rat(enalapril 50mg/L飲水中に投与)で検討したところ、腎間質の線維化・糸球体硬化は水腎群・腎摘群で有意に抑制された。糸球体サイズは、腎摘群で有意に縮小したが、水腎群では逆にenalapril投与群の方が有意差はないものの無投与群に比べ大きかった。
以上の結果、一側に水腎がある場合偏腎摘出群に比較し対側健腎の腎障害を促進する可能性が示唆された。この腎障害は、アンテギオテンシンII変換酵素阻害剤enalapril投与によって改善されることから、水腎による腎障害の進展にはレニン-アンギオテンシン系が関与していると考えられた。糸球体サイズについては、水腎群では腎摘群に比較し糸球体肥大の程度が小さいにも関わらず硬化の程度が高く、また、enalapril投与にて糸球体サイズが腎摘群とは逆に大きくなっており、この点に関してはさらに検討が必要と考えられた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 近田龍一郎: "一側完全尿管閉塞による両腎皮質HSP-72およびc-fos蛋白発現の変化" 日本小児腎臓病学会雑誌. 8. 5-10 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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