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1996 年度 実績報告書

前立腺癌アンドロゲン非依存性悪性転化機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 07671707
研究機関群馬大学

研究代表者

深堀 能立  群馬大学, 医学部, 助手 (90199167)

キーワード前立腺癌 / 増殖因子 / レセプター / KGF / FGF / FGFR / ホルモン依存性 / アンドロゲン
研究概要

新鮮前立腺癌症例7例、ホルモン非依存性再発前立腺癌症例11例、前立腺肥大症例8例より前立腺癌組織および前立腺肥大結節組織を採取した。前立腺癌組織については、エコーガイド下に18G針にて行った前立腺針生検と同一部位を採取し、生検組織の病理学的癌診断を確認した上で、totalRNAを抽出した。これらの試料から、RT-PCR法によりFibroblast Growth Factor Receptor 2 IIIb (FGFR2IIIb)、FGFR2IIIcおよびFGF2の発現を検討した。FGFR2IIIbの発現は新鮮前立腺癌症例7例中6例(86%)、ホルモン非依存性再発前立腺癌症例11例中10例(91%)、前立腺肥大症例8例中8例(100%)に認められた。FGFR2IIIcの発現も新鮮前立腺癌症例7例中6例(86%)、ホルモン非依存性再発前立腺癌症例11例中10例(91%)、前立腺肥大症例8例中8例(100%)に認められた。FGF2の発現は新鮮前立腺癌症例7例中7例(100%)、ホルモン非依存性再発前立腺癌症例11例中10例(91%)、前立腺肥大症例8例中8例(100%)に認められた。ラット前立腺癌では、前立腺癌細胞のFGF receptorがFGFR2IIIbからFGFR2IIIcへのsplicingをおこし、アンドロゲン依存性に発現されるKGF/FGF7がFGFR2と結合できなくなり、アンドロゲン依存性癌から非依存性癌への転換が起こると示唆されているが、今回の実験では、ほとんどの新鮮前立腺癌症例にFGFR2IIIcおよびFGF2の発現が認められ、アンドロゲン非依存性癌が増殖可能な状態にあることを示唆している。前立腺肥大症例でもFGFR2IIIcおよびFGF2の発現が認められたことは、正常細胞でもアンドロゲン非依存性のものが存在しており、ホルモン非依存性前立腺癌はこれらの細胞由来である可能性も示唆された。今後は、アンドロゲン非依存化細胞の分子病理学的検出についても検討していく計画である。

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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