研究課題/領域番号 |
07671708
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
岡野 達弥 千葉大学, 医学部・附属病院, 講師 (00185456)
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研究分担者 |
渡辺 純一郎 千葉大学, 医学部・附属病院, 医員
井関 徹 千葉大学, 医学部, 助手 (10232365)
浅井 隆善 千葉大学, 医学部・附属病院, 講師 (00134396)
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キーワード | 精巣腫瘍 / 造血幹細胞移植 / 超大量化学療法 |
研究概要 |
【平成8年度研究実績概要】 平成7年度に引き続き、転移を有する進行性精巣腫瘍6症例に対し末梢血幹細胞採取を施行し、その採取方法、採取効率につきさらに検討を加えた。また、末梢血幹細胞移植を併用した超大量化学療法に関しては、適応症例を認めなかった。 <末梢血幹細胞採取法の検討>採取法としては、通常のBEP療法(CDDP、etoposide、bleomycin)後、G-CSFを通常量連日投与し末梢血白血球数10000/mm^3を越える時点で末梢血幹細胞採取を行う方法を主体としたが、再発症例に対しては、VeIP療法(vinblastin、ifosfamide、CDDP)後に採取を施行した。採取された末梢血幹細胞の平均データは、単核細胞数5.9×10^8/kg、CD34陽性細胞数11.1×10^6/kgで、骨髄再構築に充分な造血幹細胞の採取が可能であった。採取効率に関しては、BEP療法1コース後の採取効率が優れていた。 <超大量化学療法の検討>超大量化学療法の導入は、通常の化学療法3コース施行した時点で、CRが得られず、腫瘍マーカーが正常化しない場合を適応としたが、平成8年度には、該当する適応症例を認めなかった。前年に施行した2例では、1例は22カ月再発なく生存。他の1例は、6カ月でリンパ節転移の再発を認めたが、VeIP療法の追加と引き続く外科的残存腫瘍摘出で再度CRを得た。その後、7カ月間再発を認めていない。超大量化学療法後、長期の観察でも重篤な副作用は認められなかった。 <まとめ>末梢血幹細胞採取は、通常の化学療法後、G-CSFを通常量連日投与し採取を行う方法において、効率よく採取が可能であることが確認された。超大量化学療法は、2例ではあるが、いずれも良好な抗腫瘍効果、安全性が確認された。今後は、適応症例をより厳密に選別していくことで、充分臨床応用が可能と考えられた。
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