• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1995 年度 実績報告書

選択的紫外線照射による前立腺前癌病変の遺伝子解析

研究課題

研究課題/領域番号 07671710
研究種目

一般研究(C)

研究機関東京大学

研究代表者

松島 常  東京大学, 医学部(病), 助手 (60157310)

キーワード前立腺癌 / PIN / p53 / cyclin p / PCR
研究概要

1.PIN病変の検索:前立腺全摘40症例のHE標本を見直し、PIN病変を検索。8例(20%)に計15切片にPIN病変を認めた。これら15切片は同一切片内に癌、PIN及び過形成上皮を含んでいたので、組織内のtopographicalな遺伝子異常の分析を調べるのに適したものと判断した。
2.標本の作成:パラフインブロックを4μmに薄切し、これをpoly-L-lysineでcoatingした透明なプラスチックスライドにのせ加熱処理し、切片がはがれないようにした。脱パラ後ヘマトキシリンで核染し検鏡下に油性ペンで目的とする細胞を塗りつぶした。連続切片を用い、各切片上で癌細胞のみ、PINのみ,正常細胞のみを各々インクで塗りつぶし、コントロールとしてインクによる遮蔽を施さない切片を用意した。
3.紫外線照射条件の設定:UV transilluminatorにより約2時間の紫外線照射によりDNAは完全にinactivateされた。
4.p53免疫染色:PINまたは早期前立腺癌での遺伝子異常は現在まだ明らかにされてはいないので、比較的多くの癌でpoint mutationが指摘されているp53についてMAb DO-7を用いて免疫染色を行った。その結果、PINではp53のaccumulationはみられず、癌病巣においてもわずかしか染色されなかった。このことは前立腺癌においては、少なくとも発癌初期の遺伝子変化としてp53の変異は中心的な役割はになっていないものと判断された.
5.前立腺でのCyclin Dの発現:そこで細胞増殖の開始点Gl check pointを制御し、発癌との関係が注目されているCyclinDについて免疫染色を行った結果、12番染色体に遺伝子座をもつsubtype D2が前立腺基底細胞で染色され、PINでは異所性に発現が亢進し、癌ではさらに広汎に発現亢進を認めた。FISHでの検討では12番染色体の前立腺癌でのgainが報告されており、現在サザンハイブリダイゼーションによる遺伝子増幅の有無を検討中である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Matsushima,H,et al: "Bcl-2 expression in prostate cencer and its relationship to cell cycle and prognosis" International Journel of Urology. 3. (in press) (1996)

  • [文献書誌] Fujita,K,Matsushima H.et al: "Phyllodes type of atypicel prostcti hyppr plasia" Intenational Jouvrna of Urolugy. 3. (in press) (1996)

  • [文献書誌] 松島常,本間之夫: "早期前立腺癌の最新の治療と老年者への適応" Geriatni Medicine(老年医学). 33. 1395-13198 (1995)

  • [文献書誌] 藤田公生、松島常、他: "骨転移を有する前立腺癌に対する初期治療としての内分液化学療法" 泌尿器外科. 8. 1011-1014 (1995)

URL: 

公開日: 1997-02-26   更新日: 2013-12-16  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi