ヌードラットを用いてインターフェロンの精巣及び精巣上体管内液への影響を調べた。インターフェロン12週間連続皮下投与の結果、精巣での精子の産生能及び精巣上体での精子濃度を増加させたが、精子の運動性には変化がなかった。内分泌学的検査ではテストステロンはインターフェロン10万単位投与群で増加、LHは低下し、FSHには差は認められなかった。また光学顕微鏡レベルでは精巣及び精巣上体には組学的に変性、壊死などの明らかな変化は認められなかった。 これらのことよりインターフェロンの作用部位として、精巣のLeydig cellが考えられた。インターフェロンがLeydig cellに直接作用したか、あるいはLeydig cellのLH受容体に対する感受性を増大させた結果、テストステロンが上昇し、精液所見を改善した可能性が考えられた。
|