重症男性不妊症/無精子症に対する新しい授精法-卵細胞質内spermatid核注入法-

1995 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 07671727
• 研究種目: 一般研究(C)
• 研究機関: 鳥取大学
• 研究代表者: SOFIKITIS Nikolaos 鳥取大学, 医学部, 助手 (60252863)
• 研究分担者: 宮川 征男 鳥取大学, 医学部, 教授 (60006781)
• キーワード: round spermatid / 精索静脈瘤 / 顕微受精 / round spermatid核注入

研究概要

ウサギに実験的に精索静脈瘤を作製し、この精巣から分離したround spermatidを用いて卵細胞質内spermatid核注入を行う.8か月の成熟雄ウサギに於いて、左腎静脈と精巣静脈の交通枝の絞扼により左精索静脈瘤モデルを作製する.約5ヶ月後、精巣障害の発生を確認して精巣を摘出する.精巣組織をPBS中で細切してフィルター(45μm)で濾過してspermatidを分離する.Triton X-100を含むsucrose solution中で遠心分離しspermatid核を分離する.卵はFSH.hCGでウサギを過排卵処理しhCG投与後19時間で卵管より採卵する.顆粒膜細胞を除去した卵細胞に電気刺激を行い、micromanipulatorを用いてspermatid核を注入し培養する.得られた分割胚を偽妊娠雌ウサギに移植する.受精率、胚発生率、妊娠率を対照の正常spermatid核注入群と比較した.以下の結果を得た.
(1)左精索静脈瘤は、精子だけでなく、round spermatidに対しても悪影響をおよぼし、受精率および妊娠率を低下させることが示唆された。
(2)round spermatid核注入法は、正常のround spermatid注入に比べ、受精率も妊娠率も有意に高値であった.

研究成果

• [文献書誌] Nikolaos Sofikitis,Ikuo Miyagawa,Koji Ono,Yasuhisa Yamamoto,Yonago,Japan ; Fernado Rodriguez,Chapel Hill,NC ; Wayne Hellstrom,New Orleans,LA ; Wayne Hellstrom,New Orleans,La ; Platon Kehayias,Athens,Greece: "DETRIMENTAL EFFECT OF LEFT VARICOCELE ON THE REPRODUCTIVE CAPACITY OF ROUND SPERMATIDS (RSs)." The Journal of UROLOGY. 153. 258 (1995)