研究課題/領域番号 |
07671743
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
山口 脩 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (60006814)
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研究分担者 |
嘉村 康邦 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (50220744)
横田 崇 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (20240939)
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キーワード | 収縮蛋白 / カルシウムイオン / 膀胱癌 / 細胞運動 |
研究概要 |
マウス膀胱癌細胞(MBT-2)やヒト膀胱癌細胞に対し、種々の生理活性物質を投与し、fura-2によってCa^<2+>動員反応を検討した。これまで、ヒスタミン、PGE_2、ブラディキニン(BK)をテストしたが、BKだけが著名なCa^<2+>動員作用を示した。 MTB-2細胞にBKを添加すると、細胞内Ca^<2+>限度は、直ちに上昇し約60秒後に元の静止レベルに戻った。この上昇反応はBKの容量(10-500nM)に依存し、最大反応は100nMで得られた。BK受容体の2つのサブタイプ(B_1とB_2)のうち、B_2受容体の方がCa^<2+>動員反応を受けもつことが明らかとなった。 BKによる細胞内Ca^<2+>動員に伴って、膀胱癌細胞は著明な収縮変形運動を示した。この収縮運動はミオシン軽鎖キナーゼ(MLCK)阻害剤であるML-9によって抑制されるので、細胞内の収縮蛋白(アクチンとミオシン)がCa^2-カルモデュリ(CaM)-MLCK系を介し活性化された結果起こったものであることが実証された。 ヒト膀胱癌の生検標本から細胞を分離しBKを添加したところ、同様に細胞内Ca^<2+>の上昇反応が認められた。一方、膀胱粘膜上皮細胞では、BKによるCa^<2+>動員反応や細胞収縮反応は観察されなかった。 マトリゲルを用いた癌細胞浸潤能テストでは、BKを投与されたMBT-2細胞は非投与群よりも浸潤能の亢進を示した。この細胞浸潤運動はH-7で抑制されたので、Cキナーゼ(PKC)の投与も示唆されている。
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