研究課題/領域番号 |
07671752
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
村井 勝 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90101956)
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研究分担者 |
斉藤 史郎 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (80170504)
馬場 志郎 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (00051889)
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キーワード | 腎移植 / 免疫抑制 / リンパ球サブセット / DST |
研究概要 |
腎移植において、拒絶反応を軽減するために、免疫的寛容の確立もしくは特異的免疫制法の開発の手がかりを得るために術前にdonor specific transfusion(DST)を行った腎移植におけるレシピエントのリンパ球表面マーカーの推移をみた。前年度の研究において6組の生体腎移植患者のリンパ球表面マーカーの解析を行った。 今年度はラットの腎移植モデルを用いてDSTによる腎移植生着延長効果機序解明の検討を行う予定で、ラットの腎移植をmicrosurgical techniqueを用いて行った。対照群の生存日数8.4±1.8日に対し、DST群は7.8±2.9日と有意差を認めなかった。これはtechnicalに成績が一定しないため移植腎の生着延長効果が得られなかったものと思われた。 従って、今年度も臨床面からの検討を継続した。5組の生体腎移植予定者にcyclospoline投与にDST 100mlづつ1、18、15日目に行い、リシピエントの末梢血のリンパ球表面マーカーの推移を輸血後第1、3週および移植直前に検討した。その結果、CD8陽性細胞が20.6%から輸血後28.3%、24.7%に増加した。CD11b/CD陽性細胞も2.3%から3.8%、4.8%に増加した。HLA-DR陽性細胞は15.9%から24.8%、26.2%、27.9%に上昇した。これらの結果から、HLA-DR陽性細胞の増加およびCD4/CD8陽性細胞比の減少はsuppressor cellの増加を示唆すると考えられた。
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