HLA-DR適合の腎移植症例からHLA-identical症例、DRB1適合症例およびDRB1不適合症例をえらび、それぞれ提供者、受者間のMLRを行った結果、DRB1適合群のstimulation indexはDRB1不適合症例よりも有意に低く(2.91vs. 8.21)、HLA-identical(1.15)に近かった。これによりDNAレベルでのDR適合がリンパ球の被刺激性に影響することが確認された。 臨床例において、急性拒絶反応の発生率を検討したところ、DRB1適合群とDRB1不適合群の間に有意な差を認め、かつDRB1適合群では、重篤な急性拒絶反応の発生率が有意に低かった。DRB1適合例においてMLR-SIが極めて低い値を示すこと、移植後の急性拒絶反応の発生率がDRB1不適合例よりも有意に低いことから、in vitro、in vivoの両方においてDRB1の適合度が移植腎予後に影響することが示唆された。 また、DRB1以外のclass II allele(DPB1、DQA1、DQB1、DRB3、DRB5)のtypingを行い、新たにDPB1^*5101を同定し、塩基配列を決定した。
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