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1997 年度 実績報告書

精子の受精能と細胞内情報伝達系についての研究

研究課題

研究課題/領域番号 07671769
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

清水 康史  東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (80242197)

研究分担者 久保田 俊郎  東京医科歯科大学, 医学部, 助教授 (50126223)
麻生 武志  東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (60093176)
キーワード精子 / 受精能 / カルシウム / 細胞内情報伝達系
研究概要

【目的】卵胞液および卵胞液中に高濃度に含まれるプロゲステロンは、精子の[Ca_2+]iを上昇させ、先体反応を促進し、受精能を高めることが報告されている。奇形精子症は男性不妊症の一因であり、我々はcell suspension法にて、奇形率の高いものは有意にプロゲステロンによる[Ca_2+]iの上昇が小さいことを報告した。本研究では、卵胞液添加による[Ca_2+]iの変化を単一細胞レベルで測定し、形態正常精子と形態異常精子について比較した。
【方法】当科不妊外来にて精液検査の目的で採取された精子を被検体とした。精子を液化後、MEM/HSA 5mg/mlで60分間swim upし、10μMのFluo-3と混和し、37℃、30分間培養した。運動精子をCell-Takにて固定し、体外受精胚移植法施行時に採取した卵胞液を添加し、単一細胞レベルの[Ca_2+]iを測定した。[Ca_2+]iの測定は、細胞内カルシウム画像解析装置(Meridian Insight plus-IQ)を使用した。
【成績】形態正常精子では、卵胞液の添加により[Ca_2+]iはすみやかに上昇し、2-3秒でピークとなり、プラトーへ移行した。[Ca_2+]iの上昇は精子頭部においてみられ、尾部では観察されなかった。卵胞液添加による[Ca_2+]iの増加率は、形態異常精子では7.1±6.4%(n=22,M±SD)であり、形態正常精子の20.5±24%(n=46)と比較し、有意に小さかった(p<0.001)。
【結論】精子[Ca_2+]iの上昇は頭部で起こり、尾部では起こらなかった。形態異常精子では先体反応を促進する物質を添加しても、[Ca_2+]iの上昇が小さく、そのため、受精能が低くなる可能性が考えられた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 清水康史: "不妊症の診断と治療-東京医科歯科大学産婦人科" 真興交易医書出版部, 6 (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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