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1995 年度 実績報告書

新規癌転移抑制物質の作成とその生物作用の解明

研究課題

研究課題/領域番号 07671774
研究種目

一般研究(C)

研究機関浜松医科大学

研究代表者

小林 浩  浜松医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (40178330)

研究分担者 西口 富三  浜松医科大学, 医学部, 助手 (30198452)
寺尾 俊彦  浜松医科大学, 医学部, 教授 (60022852)
キーワード卵巣癌 / 浸潤 / 転移
研究概要

我々はヒト尿中に癌細胞の浸潤を著明に抑制する物質を見い出した。この物質の精製を行ったところurinary tryasin inhibitor(UTI)とアミノ酸配列が同一であり、inter-alphatrypsin inhibitorのlight-chainに一致することが判明した。UTIのcDNAの解析よりアミノ酸配列の全構造を解析した。このUTIは143個のアミノ酸よりなっているが、各種合成ペプチドを作成し、このなかで最も癌細胞の浸潤、転移を抑制する活性のある部位を検索するとともに、このペプチドを用いてin vitro invasion assayおよびin vivo metastasis assayを行った。In vitro invasion assayのためにはMatrigelを使用しBoyden chamberを用いたassay系を、また、in vivo metastasis modelにはC57BL/6 miceを使用し癌細胞を皮下移植する系と、癌細胞を尾静脈から直接静注する系を作成した。さらに、癌細胞にはUTIのreceptorが存在するためこのreceptorを利用して細胞表面にUTIを大量に結合させる方法を検討した。現在までに検討した癌細胞(Ovarian cancer,chariocarcinoma,mouse Lewis lung carcinoma cells)ではいずれも容量依存性に癌細胞の浸潤を抑制した。また、mouseによる転移抑制実験ではLewis lung carcinoma cellsを皮下移植する系と、癌細胞を尾静脈から静注する系を作成したが、いずれも効率的に癌細胞の肺転移を抑制したことをすでに報告しているので、この現象が普遍的であるかどうか、また、そのメカニズムについて検討しているところである。UTIは液相中よりも癌細胞表面に存在するplasminを特異的に阻害するため、metalloproteinasesの活性化も起こらず、結果として癌細胞の浸潤、転移が抑制されることは確実である。したがって、非常に将来性のある転移抑制剤として臨床応用される可能性が高い。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 小林浩: "Characterization of the cellular binding site for the urinary tryprin inhibity" J. Biol. Chem.,. 269. 20642-20647 (1994)

  • [文献書誌] 小林浩: "Inhibition of the soluble and the tama cell receptor-bound plssmin by urinany tuyprin nbibitor and sulsequent effect on tumur cell inrxsion" Cancer Res.,. 54. 844-849 (1994)

  • [文献書誌] 小林浩: "UTI and fraguarts diviued from UTI by limited poteolysis efficieutly inbibit tumy cell inrasies" Clin. Exp. Metastasis. 12. 117-128 (1994)

  • [文献書誌] 小林浩: "Effect of UTI on the inrasion of reconstituted basemant membranes by ovarian carca cells" Int. J. cancer. 57. 378-384 (1994)

  • [文献書誌] 小林浩: "Inhibitin of the wetastasis of Lews bey caruhova by awtibody against uPA in the expessweutal and eputaveon retastasis model" Thromb. Haemost.,. 71. 474-480 (1994)

  • [文献書誌] 小林浩: "Pole of activated proter C on facibitatby baseuovt membrane inrxsion by tumd cells." Cavcer Res.,. 54. 261-267 (1994)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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