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1996 年度 実績報告書

新規癌転移抑制物質の作成とその生物作用の解明

研究課題

研究課題/領域番号 07671774
研究種目

基盤研究(C)

研究機関浜松医科大学

研究代表者

小林 浩  浜松医科大学, 医学部・附属病院, 講師 (40178330)

研究分担者 西口 富三  浜松医科大学, 医学部, 助手 (30198452)
寺尾 俊彦  浜松医科大学, 医学部, 教授 (60022852)
キーワード卵巣癌 / 浸潤 / 転移
研究概要

癌の浸潤、転移を抑制する生理的物質を羊水中より精製、同定した結果、urinary trypsin inhibitor(UTI)と同一であることが判明した。このUTIの癌転移抑制活性はカルボキシル末端のHI-8と呼ばれる分子量8000のペプチドに存在した。そこでこのHI-8を癌細胞に特異的に取り込ませるため、癌細胞膜に発現しているウロキナーゼレセプター(uPAR)を分子ターゲットにし、この結合蛋白質であるウロキナーゼを利用することを考えた。ウロキナーゼはそのN末端のATFを介して、非常に高い親和性でuPARに結合することは既に知られている。そこでこのATFとHI-8を結合させたハイブリッド蛋白質ATF-HI-8を大腸菌にて作成した。各種の基礎実験の結果ATF-HI-8は癌細胞の膜にkd=1〜10nMという高親和性で結合した。ATF-HI-8はUTI及びHI-8に比較して約1/10以下の濃度で癌細胞浸潤を抑制することが確認できたので、ヌードマウスを用いた癌転移モデルにおける抑制効果を検討した。使用した癌細胞は、ヒト線維肉腫、乳癌、大腸癌、前立腺癌、メラノーマ等であり、同所移植を行った。予想された如く、すべての癌細胞においてATF-HI-8は容量依存性に癌転移を抑制した。このATF-HI-8をそのオリジナルであるUTI、HI-8あるいはATF単独投与と比較検討したが、約1/3〜1/250の濃度で転移を抑制することができた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Kobayashi H: "Expression of urokinase and UTI" International Journal of Oncology. 8. 757-763 (1996)

  • [文献書誌] Kobayashi H: "Inter-α-trypsin inhibitor bound to tumor cells" Journal of Biological Chemistry. 271. 11362-11367 (1996)

  • [文献書誌] Kobayashi H: "UTI inhibits uPA production" Eurpean Journal of Cell Biology. 71. 380-386 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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