ヒト・ゴナドトロピンα鎖において、アミノ酸配列P-L-RのSO_4終末に対する意義を明確にし、SO_4終末がα鎖のA1、あるいはA2に特異的であるか否かを明らかにするため、研究を行った。 ヒト・ゴナドトロピンのα鎖をコードするDNAをM13ファージに挿入し、大腸菌株JM109に感染させることにより一本鎖DNAを得た。この一本鎖DNAを鋳型として、各々Pro^<48>コドン(CCA)をGCA、Arg^<42>コドン(AGG)をGCG、Asn^<52>コドン(AAC)をGAC、Asn^<78>コドン(AAC)をGACに変換した27塩基の合成ヌクレオチドを結合させ、T_4DNAポリメラーゼにより二本鎖DNAを合成した。このM13-RF組み換えDNAで大腸菌を形質転換し、テトラメチルアンモニウム・クロライドを用いたハイブリダイゼーション法で選別した。DNAシークエンシング・ゲル電気泳動を行い、塩基配列を解読することにより変異遺伝子であることを確認した。得られた変異α鎖DNAを分離・精製後、T_4DNAリガーゼを用いてネオマイシン耐性遺伝子を含む発現ベクターに挿入した。この変異α鎖DNAを含むベクターを大量に調整後、カルシウム沈殿法により、ラット下垂体由来のGH_3細胞に導入した。ネオマイシンを含有する培養液で培養し、発育した個々の株を採取後さらに発育させ、アイソトープで標識したCysで細胞をラベルした。培養液および細胞溶解質を抗α血清で免疫沈降後、SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動を行い、変異α鎖を合成・分泌する株を選別した。各々の株を用い現在解析を行っている。
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