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1996 年度 実績報告書

妊娠中毒症の病態生理における酸化窒素産生動態の意義に関する基礎的、臨床的研究

研究課題

研究課題/領域番号 07671783
研究機関奈良県立医科大学

研究代表者

山崎 峰夫  奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (00220301)

研究分担者 森川 肇  奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (30030894)
キーワード妊娠中毒症 / 一酸化窒素 / 一酸化窒素合成酵素 / 胎盤 / ウエスタンブロット / m RNA / 妊娠
研究概要

本年度は妊娠中毒症妊婦におけるNO産生能の問題を、昨年度に引き続き胎盤での各種NOS発現の面から検討を加えた。昨年の検討によれば、ヒト胎盤においてはウエスタンブロット法により検討した内皮型NOSの蛋白レベルでの発現は、中毒症症例では正常妊娠症例により有意に低下していたが、この機序をさぐるため免疫組織染色により比較したところ、組織的に絨毛形態が保たれている部分での内皮型NOSの局在は中毒症胎盤において正常妊娠胎盤と差が認められなかった。したがって、妊娠中毒症においては肉眼的に梗塞のない部分における内皮型NOS蛋白の発現低下が病態発症に関与するものと推察された。また、神経型NOSはいずれの症例においても蛋白レベルでの発現は認められなかったが、mRNAレベルでの発現がわずかに認められた。しかしながら妊娠中毒症と正常妊娠との間で差は認められなかった。このことから、神経型NOS動態の妊娠中毒症病態への積極的な関与はないものと考えられたが、本アイソザイムが絨毛外収縮線維の機能に関与するとの報告もあり、妊娠維持に重要な役割を果たしている可能性は否定できない。一方、誘導型NOSは蛋白レベル、mRNAレベルのいずれにおいても発現は認められなかった。このことから少なくとも、誘導型NOSが正常妊娠経過や妊娠中毒症病態に積極的な役割を持つことについて否定的であると示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 田中あゆみ、山崎峰夫他: "妊娠中毒症妊婦における血中脂質代謝異常と血管内皮細胞障害に関する研究" 日本内分泌学会雑誌. 72・1. 85-94 (1996)

  • [文献書誌] Sultana Begun, Mineo Yamasaki他: "Urinary Levels of Nitric Oxide Metabolites in Normal Pregnancy and preeclampsi" J. Obstet. Gynecol. Res.22・6. 551-559 (1996)

  • [文献書誌] 神田雅俊,山崎峰夫他: "妊娠中毒症胎盤における一酸化窒素合成酵素発現に関する検討" 産婦人科の進歩. 49巻3号. 205-211 (1997)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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