研究課題/領域番号 |
07671789
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
東 敬次郎 徳島大学, 医学部, 講師 (20192958)
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研究分担者 |
松崎 利也 徳島大学, 医学部・附属病院, 助手 (70294692)
苛原 稔 徳島大学, 医学部・附属病院, 講師 (20160070)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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キーワード | PTHrP / 乳腺上皮細胞 / プロゲステロン / デキサメサゾン |
研究概要 |
副甲状腺ホルモン(Parathyroid hormone related peptide:PTHrP)の生理学的意義を検討するために、産褥婦人における乳汁中のPTHrPの測定を行った。PTHrPの測定はN端(1-87)またはC端(109-141)を認識する両測定系を用いて行った。その結果、分娩後よりN端、C端PTHrPともに直線的に増加し産褥10日目にはそれぞれ平均13865pmol/l、56393Pmol/lを示した。その後N端PTHrPはほぼその値で経過したのちに産褥6カ月目にやや低下する傾向を示したのに対して、C端PTHrPは産褥1カ月目から徐々に低下した。さらに同時に乳汁中のカルシウム濃度や乳汁分泌量を測定したところ、乳汁中のカルシウム濃度はC端PTHrP濃度と有意な相関を認めたのに対して、1日の乳汁分泌量はN端PTHrP濃度と有意な相関が認められた。このことにより、PTHrPのN端部には乳汁分泌維持作用が、C端部にはカルシウムを乳汁中に輸送する作用のある可能性が示唆された。 さらに産褥ラットの乳腺組織における培養実験を行い、経時的に上清中のPTHrP濃度を測定したところ、培養開始48時間まで徐々に増加を認め、その後はプラトーに達した。さらにこれらの調節因子について検討するため、この培養系に各種ホルモンあるいは生理活性物質を添加し上清中のPTHrP濃度を測定したところ、エストロゲンおよびビタミンDではコントロール群に比較して差が見られず、プロゲステロンおよびデキサメサゾンによって上清中のPTHrP濃度は有意に抑制された。このことによりPTHrP濃度はプロゲステロンおよびデキサメサゾンといったホルモンによって影響をうけている可能性が示唆された。
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