研究概要 |
平成7年度においては、従来から開発してきた電話回線を用いた家庭用小型分娩監視装置の改良とインターネットに接続可能にするためのソフトウェアーの開発に重点をおいた。本年度開発したシステムは,在宅用胎児監視装置とキャンパスLANが一体となって機能する構成となっている。在宅用胎児監視装置はICメモリおよびMNPモデムを内蔵し,7時間の心拍陣痛情報を記録可能である。UNIXワークステーションをサーバとするキャンパスLANには,心拍処理機能を持つローカルサーバPC-9821Ap2が接続されている。妊婦がNSTの記録終了後,家庭の電話回線にコードを接続し伝送ボタンを押すことにより,自動的に電話回線から商用ネットワーク(Nifty)を経由し,インターネットへ情報が伝送され,さらにキャンパスLANのサーバに伝送される様になっている。従来のシステムでは,1回20分のNSTデータをバイナリデータ(6000バイト)として伝送していたが,現在のインターネットではバイナリデータの送受診が困難であるため,本システムではテキストファイル(26400バイト)として伝送する方式としている。妊婦から伝送されたデータは,心拍陣痛情報の自動診断結果(心拍数基線,細変動,Acceleration,Decelerationの高さ,深さ,回数)がグラフィック表示される。これまで21例に伝送を試みたがデータの欠損,誤り等は全く認められず,インターネットによる伝送の信頼性が十分高いことが確認された。
|