研究課題/領域番号 |
07671803
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研究種目 |
一般研究(C)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
前田 博敬 九州大学, 医療技術短期大学部, 教授 (20199631)
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研究分担者 |
村田 節子 九州大学, 医療技術短期大学部, 助手 (00239526)
浅生 慶子 九州大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (20243959)
関 文恭 九州大学, 医療技術短期大学部, 教授 (50038923)
布上 董 九州大学, 医療技術短期大学部, 教授 (20038649)
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キーワード | 妊娠 / 分娩 / 精神心理 / STAI / 精神面支援 |
研究概要 |
1.妊娠期における妊婦の精神心理に関する横断的及び縦断的調査 正常および母児の合併症を有する妊産婦の精神不安の客観的評価を行い、妊娠・分娩に及ぼす影響を検討した。正常妊産婦78例、母体合併症を有する妊産婦51例、胎児合併症を有する妊産婦27例を対象にSTAI状態不安得点を求めた。入院管理を受けた妊産婦6例を対象に精神面支援を行い,支援前後での状態不安を比較検討した。その結果、対照群のSTAIの平均値は36.5、外来患者の母体合併症群は42.5、胎児合併症群は42.3、入院患者の母体合併症群は47.1、胎児合併症群は52.5であった。精神面支援を行った6例のSTAI前後値は各々62-58、58-52、51-50、47-45、40-42、32-33であった。以上より、1)母児合併症を有する妊産婦では外来患者、入院患者ともに不安状態が強いこと、2)入院患者では外来患者に比して不安状態が強く、なかでも胎児合併症を有する患者ではきわめて強いこと、3)精神面支援の効果は、少なくとも状態不安得点が高い患者に対しては有効であることが分かった。 II.分娩期における産婦の精神心理に関する縦断的調査 妊産婦の精神心理が分娩に及ぼす影響を明らかにすることを研究の目的とした。精神心理の不安尺度は、STAI-Sを用いて1)妊娠後期(妊娠36〜40週)、2)分娩第I期準備期、3)分娩第I期活動期、4)分娩2時間後に測定した。STAI-S得点の中央値を求め、中央値未満群と以上群の2群間で分娩に及ぼす影響について比較検討した。以上より、1)妊産婦の精神心理と分娩には関連がある、2)不安が高い妊産婦では、分娩時出血量・分娩促進の頻度・急速遂娩率が増加し、この事象は経産婦に比較し初産婦に顕著である、3)精神心理不安を時期別にみると、妊娠後期よりも分娩期の不安、分娩期の不安よりも妊娠後期から分娩に移行する過程で変化した精神心理不安の較差が大きいほど分娩に影響を及ぼすことが分かった。
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