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1996 年度 実績報告書

子宮頚癌の発癌機構に立脚した遺伝子治療に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 07671804
研究種目

基盤研究(C)

研究機関佐賀医科大学

研究代表者

杉森 甫  佐賀医科大学, 医学部, 教授 (50038642)

研究分担者 横山 正俊  佐賀医科大学, 医学部, 助手 (40230669)
福田 耕一  佐賀医科大学, 医学部, 講師 (80189943)
岩坂 剛  佐賀医科大学, 医学部, 助教授 (60117067)
キーワード子宮頚癌 / p53 / 遺伝子治療
研究概要

1.正常子宮頚部扁平上皮細胞にHPV18-DNAを導入して不死化細胞(HEC-18)を作成した.crisis前はエピゾームに100コピー以上のHPV18-DNAがみられたが,crisis後にはHPV18-DNAは数コピーのものがインテグレイトされていた.
2.我々が保有する頚癌由来細胞株TMCC-1およびME180に,wild type(WT)p53の全DNAを持つpMO-hp53(dexamethasone存在下でwild type p53遺伝子の発現が誘導されるプラスミド)を燐酸カルシウム法によって導入し,transfectantをクローニングし,個々のクローニングの増殖能,形態変化を観察した.
その結果,移入したWTp53遺伝子は細胞増殖と形態および腫瘍作成能に影響を与えた.すなわち,
1)細胞はG2の位置で細胞回転が停止し,増殖が抑制された.
2)細胞膨大,多核形成,核の微小化,細胞質の均一化などの形態変化がみられた.
3)軟寒天培地における自由増殖能が失われた.
上記の結果は腫瘍細胞の増殖ならびに活性が,p53遺伝子の移入により大きく障害されることを示している.
また,その後の詳細な細胞形態変化の解析から,細胞増殖抑制はM期において起こっていることが示唆された.
上記のように,研究は当初計画した通りに進行しており,また,その結果も期待を裏切らないものである.他の頚癌細胞株にも応用してその汎用性を確かめるとともに,遺伝子分析を進めて抑制機構を解明することによって,遺伝子治療への道を開きうるものと期待される.

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Hachisuga,Toru: "Human papilloma virus and p53 expressionin carcinoma of the uterine cervix" patholgy. 28.1. 28-31 (1996)

  • [文献書誌] Zheng,peng-sheng: "Growth suppression of a cervical cahcer cell line by the human wild-tupe p53 gene." Gynecol Oncol. 60.2. 245-250 (1996)

  • [文献書誌] Iwasaki,Tsuyoshi: "Non-detection of human papilloma virus in cervical dysplasia." Lancet. 348.9023. 333-334 (1996)

  • [文献書誌] Iwasaki,Tsuyoshi: "Cytologic changes in two cervical carcinoma cell line after transfection of the wild-type p53 gene." Acta Obstet Gynecol Scand. 75.9. 793-803 (1996)

  • [文献書誌] 岩坂剛: "p53遺伝子導入による子宮頚癌治療の試み" 産婦人科治療. 72.6. 994 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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